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【医師解説】アトピーで悩んでいる人へ。デュピクセントを使うべき人・使わない方がいい人効果・副作用・費用を話します

[2026.05.30]

日々の診療の中でさまざまな皮膚のお悩みを伺っていますが、その中でも特に多いのがアトピー性皮膚炎に関するご相談です。診察をしていると、「ずっと治療しているけどなかなか良くならない」「塗り薬をやめるとすぐ悪くなる」「一時的には良くなるけれど、またぶり返してしまう」「デュピクセントって気になるけど、強い薬で怖いんじゃないか」「本当に自分に必要な治療なのか分からない」といった声を本当によくいただきます。

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特に長く治療を続けている方ほど、「このままでいいのか」「別の方法があるのではないか」と感じている方が多い印象です。まずお伝えしたいのは、そう感じるのはとても自然なことだということです。アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気ですし、長く付き合っているからこそ、治療に対する期待と同時に、不安や迷いが出てくるのも当然だと思います。新しい治療に対して「良くなるかもしれない」という期待と、「副作用は大丈夫なのか」「やめられなくなるのではないか」といった不安、その両方を感じるのは当たり前のことです。また、アトピー性皮膚炎ほど有名な病気ではありませんが、結節性痒疹と言って、体や四肢の広範囲にかゆみがものすごく強いぼつぼつができてしまう病気があります。「湿疹のなれの果て」と呼ばれる病気です。アトピー性皮膚炎と併発する事もあります。この病気も慢性の病気で悩んでいる方が多いです。今回は「デュピクセント」について、できるだけわかりやすく、そしてできるだけ正直にお話ししていきます。これから治療を考えている方にとって、判断の参考になるような内容をお伝えできればと思います。

デュピクセントとは?

まず、デュピクセントとはどんな薬かというところから簡単にお話しします。アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下を背景に、免疫・炎症反応の異常が重なって起こる慢性の湿疹性疾患です。外からの刺激に弱くなり、少しの刺激でも炎症が起きやすくなる状態ですね。従来の治療は、ステロイドの塗り薬を使って、この炎症を「広く抑える」という考え方が中心でした。もちろんこれらの治療も非常に大切で、今でも基本となる治療です。ただ、一部の方ではそれだけではコントロールが難しいケースもあります。それに対してデュピクセントは、アトピー性皮膚炎の炎症に関わる特定の部分、いわば「炎症のスイッチ」にピンポイントで作用する薬です。炎症を必要以上に広く抑えるのではなく、原因に近い部分に狙いを定めて働くのが特徴です。そのため、これまでの治療とは少し考え方が違う、新しいタイプの治療と言われています。使い方としては、2週間に1回、ご自身で注射していただく治療になります。最初は不安に感じる方も多いですが、実際には慣れてしまえば自宅で継続できる方がほとんどです。一言でまとめると、「アトピー性皮膚炎の原因に近い部分をピンポイントで抑える、新しい選択肢の治療」と考えていただくとわかりやすいと思います。この薬は、まずアトピー性皮膚炎の方に保険適応になりましたが、結節性痒疹という病気にも保険で使えるようになりました。(使うべき人)では、どんな方がデュピクセントを使うべきか、ここが一番大事なポイントです。まず一つ目は、ステロイドなどの塗り薬でコントロールができない方です。しっかり塗っているのに、かゆみや赤みがおさまらないという方ですね。二つ目は、かゆみが強くて生活に支障が出ている方です。夜眠れない、仕事や日常生活に影響が出ている、この状態はかなりつらいと思います。三つ目は、皮疹の範囲が広い方や中等症から重症の方です。全身に広がっている、慢性的に続いているという場合は、外用薬だけでは限界があることもあります。そして四つ目は、長期間ステロイドをぬる事によって、皮膚に副作用がでている方です。ステロイドは決して悪い薬ではありませんが、長期間使い続けることによって、皮膚が薄くなってしまったり、ニキビみたいな赤いぼつぼつができてしまう事があります。そういう方にとっては、別の選択肢として検討する価値があります。まとめると、「今の治療で満足できていない方」は、一度考えてみてもいい治療だと思います。

デュピクセントを使わない方がいい人

一方で、使わない方がいいケースもあります。ここもとても大事なポイントです。まず、軽症で塗り薬だけで十分コントロールできている方です。症状が安定していて、日常生活にも大きな支障がない場合は、無理にデュピクセントのような治療を始める必要はありません。今の治療でしっかりコントロールできているのであれば、それを継続することが基本になります。次に、費用面が大きな負担になる方です。デュピクセントは保険適用があるとはいえ、ある程度の自己負担がかかる治療で、しかも継続が前提になります。途中で負担が難しくなってしまうと、治療の継続が難しくなることもありますので、「続けられるかどうか」は非常に重要な判断ポイントになります。また、注射がどうしても苦手な方も慎重に考える必要があります。2週間に1回とはいえ、ご自身で注射を行う治療ですので、その点に強い抵抗がある場合は、ストレスになってしまう可能性もあります。さらに、定期的な通院が難しい方も同様です。治療の効果や副作用を確認しながら進めていく必要があるため、フォローアップができる環境が大切になります。このように、デュピクセントは非常に良い治療ではありますが、「いい薬だから全員に使うべき」というものではありません。あくまでその方の症状や生活状況に合わせて選択することが大切です。この点はぜひ覚えておいていただきたいと思います。

デュピクセントの効果

デュピクセントの一番大きな特徴は、かゆみの改善が期待できる点です。アトピー性皮膚炎や結節性痒疹で一番つらい症状は何かと聞かれると、多くの方が「かゆみ」と答えられます。それくらい、かゆみは日常生活に大きな影響を与える症状です。このかゆみが軽くなることで、まず変わってくるのが睡眠です。夜中にかゆくて何度も目が覚めてしまう、無意識にかいてしまう、といった状態が改善されて、しっかり眠れるようになる方が多いです。さらに、日中の集中力や仕事のパフォーマンスも変わってきますし、イライラしにくくなるなど、精神的な負担も軽くなっていきます。また、赤みや湿疹といった皮膚の見た目の症状も徐々に改善していきます。炎症が落ち着くことで、肌の状態が安定し、見た目の変化を実感される方も多いです。その結果として、生活の質、いわゆるQOLが大きく上がる方が多いのが特徴です。実際の診療でも、「もっと早く知りたかった」「人生が楽になった」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。ただし、ここで一つ大事なポイントがあります。デュピクセントは、使ったその日から劇的に変わるというよりは、数週間から数ヶ月かけて徐々に効果が現れてくる治療です。ですので、焦らずに経過を見ながら続けていくことが大切になります。

副作用・注意点

次に副作用のお話です。デュピクセントで比較的よく見られるのが結膜炎です。目のかゆみや充血、違和感といった症状が出ることがあります。このような場合は、無理に我慢せずにご相談いただいて、必要に応じて眼科と連携しながら対応していくことになります。早めに対処することで、大きなトラブルになることは少ない印象です。また、注射製剤ですので、注射した部分が赤くなったり、軽い腫れや痛みが出ることもあります。ただ、これらは一時的なものがほとんどで、時間とともに落ち着いていくケースが多いです。最初は気になる方もいらっしゃいますが、回数を重ねるうちに慣れてくる方がほとんどです。そしてもう一つ大事なポイントとして、デュピクセントは従来の内服薬のように全身の免疫を強く抑えるタイプの薬ではありません。特定の炎症の経路に絞って作用するため、全体としては比較的安全性が高いとされています。もちろん副作用が全くないわけではありませんが、これまでの治療と比べると、安心して使いやすい薬の一つと言えると思います。このあたりは、不安を感じている方にとって一つの安心材料になるのではないでしょうか。また副作用が少ない点から、子供にも使用する事ができます。

費用

デュピクセントは保険適用のある治療ではありますが、それでも自己負担は月に数万円程度になることが多く、決して気軽に始められる金額ではありません。特に継続が前提となる治療ですので、毎月どのくらいの負担になるのかを事前にしっかり把握しておくことが大切です。ただし、高額療養費制度を利用することで、月ごとの自己負担額が一定の上限までに抑えられる場合もありますので、この制度をうまく活用することで負担が軽くなるケースもあります。詳しい金額は年齢や所得によって変わりますので、個別に確認していく必要があります。決して安い治療ではありませんが、その分、症状の改善を実感して続けている方が多いのも事実です。費用と効果のバランスを考えながら、ご自身にとって納得できる選択をしていくことが大切だと思います。

 

  • 薬剤費や医療費について詳しくはこちら
  • 高額療養費シュミレーションについて詳しくはこちら

 

まとめ

最後にまとめです。デュピクセントは、すべてのアトピー性皮膚炎や結節性痒疹の方に必要な治療ではありません。ただ、今の治療で悩んでいる方、なかなか改善しない方にとっては、大きな選択肢になる治療です。大事なのは、自分に合っているかどうかをきちんと見極めることです。気になっている方は、自己判断だけで決めずに、ぜひ一度皮膚科で相談してみてください。

  • 当院のアトピー性皮膚炎のページはこちら
  • デュピクセント説明ページはこちら

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
住所
〒306-0003
茨城県古河市緑町54-33
最寄駅
JR宇都宮線古河駅

診療時間

診療時間
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▲:土曜午前の診療時間は、9:00~13:00
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※受付開始は、診療開始30分前(平日は9:00から、土曜日は8:30からです。)
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