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トコジラミ大発生!?皮膚科専門医が教える症状・最新対策・駆除

[2024.02.10]

こんにちは 茨城県古河市で皮膚科・美容皮膚科を開業しております、皮膚科診療歴20年以上の医師の生垣英之です。

今回は、トコジラミの話をしたいと思います。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、フランスや韓国でトコジラミが大量に発生しているという報道がでています。

日本にも今後トコジラミが大量に発生することもあるかもしれません。そんなトコジラミについて、皮膚科専門医の立場から話したいと思います。

以下のブログの内容はこちらのYou Tubeでも解説しております。ぜひ御覧ください。

トコジラミとは

トコジラミの症状

トコジラミの駆除

トコジラミにさ刺されたあと

トコジラミ マップって何ですか?

トコジラミのフンとは?

トコジラミ 対策は?

トコジラミ 殺虫剤はどれを選べばいい?

ダニとトコジラミの違いはなんですか?


【トコジラミとは】


トコジラミはカメムシ目トコジラミ科に属する昆虫で、俗にナンキンムシと呼ばれています.

茶色で平べったい形をしています。成虫の体長は約5mmです。

卵は1mmくらいで、約1週間で孵化して幼虫になり、1~3カ月の間に5回の脱皮をして成虫になります。

トコジラミのメスは、1日に5個ほどの卵を産み、20~30回ほど産卵するようです。

寿命は長く成虫になれば9~18ヵ月生存できる厄介な虫です。

何が問題かというと、トコジラミは人間の血を吸う吸血虫だからです。成虫だけではなく、幼虫も血を吸います。

昼間は室内の壁や柱の割れ目、畳やベッド、引き出しの隙間などに潜んでおり、卵もこれらの場所に産みつけられます。
夜になると成虫、幼虫は生息場所から出て、就寝中の人間の呼気や体温を察知して近づき、人の露出した皮膚から口器を刺入して吸血します.

トコジラミはカメムシの仲間なので、独特の臭いを出します.

吸血時間は数分~10分、長い場合で20分以上に及ぶケースもあり、1回で大量に吸血する点も特徴です。

あと、吸血が終了するまで、口器を刺し変える場合があります。

口器の刺し変えについては、刺し変えない場合が最も多いですが、1~6回程度の刺し変え行動がみられたとの報告もあります。

ちなみに「シラミは刺し口が2か所ありますよね?」という質問をうけることがあります。

この場合トコジラミの事だと思いますが、口器を刺し変た時に、たまたま2か所並んでいると、刺し口が2か所になるためそう言われているのだと思います。

トコジラミは世界の温帯を中心に広く分布し、第二次世界大戦のころは日本でも被害が多かったですが,殺虫剤の発達で 1970年ごろにはかなり減りました.

しかし2005年ごろから海外および国内でも増加傾向を示し、近年では爆発的に増加しています。

トコジラミ被害が増加した原因として、

  • 交通機関の発達によって人間が世界各地を移動する機会が増えたこと
  • 不衛生な簡易宿泊施設が増加したこと
  • 中古やレンタル家具の流通が増加したこと、などがあげられます。

さらに、

  • 殺虫剤の使用実態が変化して、一部の強力な薬剤が使用禁止になったこと
  • 殺虫剤抵抗性トコジラミの出現なども関係していると思われます。

その背景には、海外でも広く使われていたピレスロイド系の殺虫剤に対し、遺伝子変異によって抵抗性を獲得した新種のトコジラミが出現して、これが諸外国で蔓延して日本に流入したものとみられます。

具体的には、ピレスロイド剤に対する抵抗性が、旧来のトコジラミに比べて1000倍以上に向上したと言われています。

現在、国内のホームセンターや薬局で販売されるほとんどのエアゾール剤や燻煙剤はピレスロイド系であるため、いま問題になっているトコジラミには、一般家庭用の殺虫剤が効かない事が多いです。

【トコジラミの症状】


トコジラミの症状は、首や手や腕、足などの露出部を中心にかゆみの強い赤いボツボツとしてでる場合が多いです。

かなり腫れる場合もあります。トコジラミは吸血中に口器を刺し変えるため、数個の赤いボツボツが狭い範囲に集中して認められることがあります。

また、多数のトコジラミがいる室内で被害を受けた場合は、皮膚の広い範囲に多数の赤いボツボツが認められる事があります。

寝室内にトコジラミが多数生息する場合は、毎晩吸血されるため、新鮮な赤いボツボツと、治癒過程茶色の色素斑が混在しますが、旅行などで宿泊した施設で一晩だけ吸血被害を受けた場合は、すべての皮疹がほぼ同時に出現し同様の形態、経過を示すことが多いです。

トコジラミの診断に関しては、もちろんトコジラミによる吸血場面を確認できれば容易に診断が確定しますが、手や腕や足などの露出部に赤いボツボツができるのは、カやブユ、ノミなど、他の吸血性昆虫による虫刺されでも同じ症状になるので、それだけでは難しいです。

旅行や出張中の宿泊施設内で吸血された場合も、2週間後くらいに皮疹が出現する場合があります。

ちなみにトコジラミを袋にいれて持ってきた方もいらっしゃった事があり、その場合はすぐに診断がつきました。

トコジラミの治療は、基本的には他の虫刺されと同様で、強いランクのステロイド外用薬を処方する事が多いです。痒みが強い場合は、抗アレルギー薬の内服薬なども処方します。

【トコジラミの駆除】


トコジラミは国内で衛生状態のよい一流のホテルや旅館でも、旅行者のスーツケースなどを介して持ち込まれ、いつの間に部屋の中で繁殖している場合があります。

なので、高級宿だから大丈夫という事はありません。宿泊施設内でトコジラミによる被害が発生している場合、トコジラミが生息する部屋を特定して、徹底的な駆除を行う必要があります。


旅行や引っ越しなどの移動に伴って、トコジラミの成虫、幼虫、卵が混入したカバン、スーツケース、家具類、衣類、本などが持ち込まれると、一般住宅内でも定着するようになります。

 

その場合は療室の壁や畳の隙間、障子の周囲、カーテンの裏側などを丹念にチェックし、トコジラミの生息が確認された場合は徹底した殺虫剤の撤布を行う必要があります。

ただし、先程言ったように現在国内で蔓延しているトコジラミの大半がピレスロイド系殺虫剤に抵抗性を獲得しているので、一般的な家庭用の殺虫剤では駆除は困難で、専門業者に依頼する事が多いです。

 

【トコジラミに刺された跡】


トコジラミに刺された痕はどうすれば良いでしょうか?という質問を受ける事があります。

そもそも痕というのは、炎症後の色素沈着なので、刺されてしまった時に掻かないというのが非常に大事です。日に当てるのも良くないです。なるべく早くに塗り薬などで治療して、掻かない日にあてないのを徹底しましょう。

もちろん、自宅の場合は駆除しない刺された痕どころではないので、駆除が最優先です。

 

【トコジラミ マップとは?】

ここ最近「トコジラミマップ」という言葉がメディアで取り上げられているようです。

トコジラミマップとは、トコジラミの発生情報を地図上に表示したアプリやウェブサイトのことを指します。

利用者がトコジラミを発見したホテルなどを登録することで、他のユーザーに情報が共有される仕組みになっています。

トコジラミの発見場所が地図上にピンで示されるため、その地域の被害状況を一目で確認できます。海外で多く利用されているようです。ただ、あくまで被害状況なので、その場所のホテルが大丈夫かの保証はありません。

 

【トコジラミが嫌う匂い】


トコジラミを匂いで防虫したいときは、クスノキ(樟脳)の香りが良いとの事ですが、殺す効果はありませんので、予防や早期発見しかないと思います。

 


【トコジラミのフンとは?】


早期発見の目印となるのが黒い斑点模様の糞(ふん)です。

マットレスやヘッドボードなどの寝具の周辺、ソファや畳の隙間、本の中などに黒い斑点が見つかれば、トコジラミが潜伏しているかもしれません。

 

【コジラミはどこにいる?】


マットレスの継ぎ目、枕やシーツの縫い目、ソファのスキマ、カーテンの折り目、サイドテーブル、クローゼット、カーペット、畳のスキマなどです。

 

【トコジラミ 対策は?】


まず、ホテルなどに泊まる時は、ベッドやソファにトコジラミの痕跡がないかチェックしましょう。

ベッドのシーツをはがして、マットレスの継ぎ目にカビが生えたような黒い汚れや卵がないか点検しましょう。

あとは、自宅にトコジラミを持ち込まない事が大事です。
旅行先から帰宅しても、荷物は家の中ではなく玄関先で広げて、トコジラミが隠れていないか目視で確認しましょう。

見つけた場合はガムテープや掃除機で捕獲し、家の中に入り込まないように徹底してください。

衣類は熱乾燥機やスチームなどの熱処理を行うと、衣類に隠れているトコジラミを一掃することができます。あとは、ネットなどで中古の家具や衣服など買った時もよくチェックしてください。


【トコジラミ刺される人刺されない人はいますか?】


トコジラミに刺されると必ず皮膚に強い症状がでるわけではありません。

なぜかというと、皮膚症状はトコジラミが吸血する際に注入する唾液線物質に対するアレルギー反応で生じるため、感作状態による個人差が大きいからです。

ちなみにトコジラミに刺される人と刺されない人の特徴を聞かれる事がありますが、それは刺される刺されないではなく、症状が強くでる人と強くでない人の差だけです。

【トコジラミ 殺虫剤はどれを選べばいい?】


一般的な家庭用の殺虫剤であるピレスロイド系は効果が薄いので、オキサジアゾール系もしくは、カーバメート系が主成分になっている殺虫剤を選ぶと良いようです。

ただし、殺虫成分を吸引したり、直接肌に触れる危険な場合があります。駆除業者さんに頼む方が良いかもしれません。


【ダニとトコジラミの違いはなんですか?】


よくダニとトコジラミを勘違いしている人がいらっしゃいますが、トコジラミは先程言ったように成虫だと5mmくらいですので、肉眼で見えます。


以上で、トコジラミのブログはおしまいです。これから日本でも大流行するかもしれません。正しい知識をもち対処ができれば被害の拡大を防げます。

そのためにこのブログを作成しました。

 

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