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その水ぶくれ潰す?潰さない?

[2023.05.22]

今回は皮膚にできた水ぶくれは潰したほうがいい?つぶさない方がいい?という疑問にお答えしていこうかと思います。

以下のブログの内容はこちらの動画でも解説しておりますので、あわせて御覧ください。

 

関連ページ『水ぶくれができる病気』

 

そもそも水ぶくれはどのような時に起きるでしょうか?

① かぶれ(接触性皮膚炎)

② 虫刺され

③ ウイルス感染(水痘、帯状疱疹、単純疱疹、手足口病など)

④ とびひ(伝染性膿痂疹)

⑤ 汗疱(手や足に出来る細かい透ける水疱)

⑥ 外傷性水疱

⑦ 類天疱瘡などの水疱症

⑧ やけど(熱傷)

 

などが考えられると思います。

まず、①かぶれによる水ぶくれです。

かぶれで多いのはシップで、シップを貼った部位が赤くなりひどいと水ぶくれになります。

シップによるかぶれの場合は、治った後も、数ヶ月間は日光に当てないようにしてください。

シップを貼っていないのに、赤くなってしまいます。これはシップの成分が残っていて、光線過敏を起こすと考えられています。

この場合、患者さんに聞いてもシップは貼っていないと言われてしまいますが、数ヶ月前にシップを貼ったかどうかを聞くとそういえば貼ったと言われて、やっとわかる場合もあります。

湿布意外には毛染めやパーマによるかぶれも良くみます。

 


次は、②虫さされです。

当然、夏におおい疾患となります。

特にスネなどに水疱ができるネコノミによる虫刺されは、きれいな水疱になる事が多いです。

ネコノミとは、その名の通り飼い猫や野良猫に寄生しているノミです。

もちろん猫を飼っている場合にも吸血されますし、あぜ道や公園の砂場などにもいる場合もあり、その時に吸血されてしまう場合もあります

他には、蚊に刺されても水疱になる事があります。

ちなみに蚊に刺された後、高熱が出て刺された部位が潰瘍になる場合は蚊アレルギーの可能性があります。

ウイルスの関与が言われています。チャドクガやブユによる虫さされでもできる事があります。

 

次は③ウイルス感染症です。

全身に小さい水疱ができる水痘。いわゆる水疱瘡(みずぼうそう)があります。

小さい頃にかかったり、ワクチンを打ったりしてると思います。あとは有名なのは、帯状疱疹ですね。

帯状疱疹は、先程言った水疱瘡にかかった人はずっと体内に水疱瘡のウイルスがいます。

体が弱り免疫が下がるとウイルスが活発になってきて、顔や体の左右どちらかの半分に水疱として皮膚に出現します。

唇や陰部に水疱ができる、単純疱疹もあります。

これも体が弱るとできます。その名前の通り、手足や口に小さい水疱ができる手足口病などがあります。

ただし、やっかいな事に感染したウイルスの種類によっては、手足口だけではなくお尻にできたりしますので注意が必要です。

 

次は④伝染性膿痂疹です。

とびひと言われ、黄色ぶどう球菌の細菌の感染症です。

水疱ができたりジュクジュクしたりします。子供がよくなる病気で、直接触らないようにしてください。

次は⑤汗疱で、異汗性湿疹とも言います。

聞いた事ない方もいらっしゃるかもしれませんが、手のひらや足の裏に細かい透けたような水疱がたくさんできる病気です。

名前は知らなくても、症状がでている人もいらっしゃるのでは、ないでしょうか?季節の変わり目やストレス、歯の金属アレルギーの関与が言われています。

 

次は、⑥外傷性水疱です。

これも名前を聞いた事がない人も多いかもしれません。

激しい運動の後に足に水ぶくれができてしまう事を言います。

なった事がある方もいるのではないでしょうか?激しい部活動や登山などでできる事が多いです。

これは物理的に水疱ができただけなので、安静にして水ぶくれの中身が吸収されるのを待つ事が多いです。

次は、⑦類天疱瘡などの水疱症です。

これは全身に水ぶくれができてしまう病気です。

自己免疫性疾患と言って、免疫の異常といわれています。高齢の方に多いです。

全身に水ぶくれができてしまう場合は、もちろん皮膚科を受診してください。

最後は⑧やけどです。

これも経験ある人が多いと思います。

赤くなるだけの軽症の場合もありますが、ひどいと水疱になります。熱湯や油などが多いです。当日は痛みが強いですが、意外と翌日以降は痛みがおさまる印象です。

あと、冬は湯たんぽのやけどがあります。

湯たんぽのやけどの場合は、初めは皮膚の症状が弱く数週間たって段々と悪化して皮膚がえぐれてくる場合があります。

皮膚がえぐれて穴が空いたようになり、治るのにかなり時間がかかるのと最終的に瘢痕化して痕に残る事が多いです。

若い女性の方が、すねの前面になることがあり、見た目上問題になることがあります。

このように湯たんぽによるやけどの場合はひどくなる傾向にあり、使用するのであれば十分に気をつけてください。

 

以上が水ぶくれの症状を起こしやすい疾患ですが、ここからが本題です。

水ぶくれは潰したほうがいい?つぶさない方がいい?という疑問にお答えします。

基本的には水ぶくれは潰さないでください。

水ぶくれの中身は浸出液で満たされておりますが、この浸出液に傷をなおす成分がはいっており、水ぶくれになることによってその浸出液を閉じ込めて傷を治していくためです。

市販のキズパワーパッドも同様の原理で浸出液を閉じ込めて傷を治していきます。

ただ、特にやけどの場合などは特に指や足背などの皮膚に余裕がないところに水ぶくれができた場合、水ぶくれそのもののせいで痛みにつながる事があり、その場合は潰すこともあります。

パンパンに水疱になっている場合もどうせすぐに潰れてしまうため、潰した方が良い場合もあります。

ただつぶす場合は清潔な針などで中身をだして、水ぶくれそのものを除去するわけではありません。

先程いったように水ぶくれの中身である浸出液には傷を治す成分があるため、蓋代わりに使います。

しばらくそれで様子をみて傷が治る邪魔になるようなら水ぶくれごと除去します。それなので、自己判断ではなく病院でつぶすのをおすすめいたします。

 

まとめです。

水ぶくれは基本的には潰さないでください。ただし、水ぶくれそのもので痛い場合や明らかにすぐにつぶれそうな場合は、つぶした方が良い事もあります。つぶすのは、病院で処置をおすすめいたします。

 

よく見られる症状『水ぶくれ』ページはこちら

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