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ヒルドイドについて

[2023.01.19]

今回はヒルドイドについて話したいと思います。

こちらの内容は動画でも解説しております。

皆さんヒルドイドという薬を聞いた事はありますでしょうか?一言でいうと保湿剤になります。ヒルドイドはヘパリン様類似物質という成分が入っています。ヘパリン様類似物質は水分をため込む性質があり、保湿力が強いです。なので、乾燥で湿疹ができてしまう人やアトピー性皮膚炎の人に保湿剤として処方いたします。

他には、ヘパリンには元々血が固まるのを弱くしますので、血の流れを良くする作用があります。ですので、しもやけにも使う事がありますし、ケロイドにも使う事があります。

また血流促進作用のため、塗ったときに赤みがでることがあります。その場合の赤みはすぐにひいていきます。引かずにずっと赤みが残ったり表面がガサガサする場合は、かぶれている可能性があるので、注意してください。また、赤ら顔の人にも使わない事があります。

 

ヒルドイドはとは

保湿成分が強いヘパリン様類似物質が0.3%という高濃度入っているため、保険診療で処方できる薬になります。これが何で有名なのかというと、本来は乾燥肌で湿疹ができている人やアトピー性皮膚炎の人に使用する薬なのに、肌に異常のない人が乳液などの代わりに使用するという美容目的に使う方が出てきてしまったからです。

保険診療で処方する薬なので、美容目的での使用はNGです。現在市販薬でもOTC薬と言って同じ高濃度の商品が売っていますので、そちらを買ってください。

 

ヒルドイドは、色々な剤型があります

油性クリームローション泡タイプスプレーなどがあります。

一般的には油性、クリームタイプの方が保湿力が強く、泡やローション、スプレータイプの方が塗りやすいです。

乾燥肌やアトピー性皮膚炎の人は夏はローション、冬はクリームタイプにする人もいますし、部位によって塗り分ける人もいます。1日に数回の外用を推奨しております。特にお風呂の上がった後、水分をふき取ったらすぐに塗るようにお話ししています。

ちなみに体を洗う際に乾燥肌の人は冬場は体の洗う部位は、足、股、わきのみ石鹸をつけて手で洗うようにお話ししています。特に下腿の前面は乾燥しやすいので、洗わないように心がけてください。ナイロンタオルは使わないようにしてください。特に背中を(このように)ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは絶対にやめてください。手でやさしく洗うというよりも石鹸を泡立てて、泡でなでる感覚で大丈夫です。固形石鹸が一番いいです。もちろん肌質によりますので、乾燥肌の人に限っての話しになります。

 

塗り方も重要です

割と少ない量を塗って保湿できていない方が多いです。

例えばクリームタイプのヒルドイドだと、1フィンガーチップユニットと言って、指先から第一関節まで容器から薬をだした量が大体0.5gになります。この量を伸ばして両手全体に塗る量が適量になります。

顔、首だと2.5フィンガーチップユニット、片腕だと3フィンガーチップユニット、胸・おなかは7フィンガーチップユニットとなります。ローションタイプだと液を手に出して1円玉くらいが0.5gになりこれが1フィンガーチップユニットになります。実際厳密には難しいと思います。外来で患者さんに説明する場合は

塗った部位がテカテカと光り、ティッシュペーパーが付着する程度が適量です。と説明しています。乾燥が強い方はちょっと塗りすぎたかな?と思うくらいがちょうどいいです。

しわの走行に沿って塗ると浸透性が高まります。具体的には、顔は内側から外側へぬるようにしてください。

これを毎日続けていただきたいです。私自身も冬場の乾燥時期は保湿をしていますので、言うのは簡単でやり続けるのはとても面倒という気持ちわかります。ですが、放っておいて湿疹になったり、アトピー性皮膚炎が悪化するともっともっと大変です。

 

ステロイドと一緒に使う

他には、アトピー性皮膚炎の方の皮膚の状態が悪くなってしまった場合や乾燥が強く湿疹になってしまっている場合に、ステロイドと一緒に使うことがあります。

炎症をステロイドなどで抑え、その上で保湿する目的で使います。ステロイドを塗ることにより、結果的に乾燥してしまう事もあるため、保湿しながら使用することが多いです。

ステロイドとヒルドイドはそれぞれ別の容器に入っている薬になりますので、本来はステロイドとヒルドイドは別々に処方すべきだと思います。

ただ、実際に薬を塗るとわかりますが、肌に薬を2重に塗るのは非常に大変です。そのため、2種類の薬を混ぜて処方することもあります。2重に問題なくぬれる方は、別々に薬を処方します。勘違いされている方が多いですが、薬を混ぜたからといって、ステロイドが薄まるという事はありません。ステロイドは副作用がでる事がありますので、医療機関と相談してください。自己判断で外用しないようにしてください。

 

ワセリン

保険診療で処方できる保湿剤としては、ワセリンがあります。ヒルドイドは保湿成分が強いのに対し、ワセリンは蓋をして乾燥を抑えるという薬になります。ワセリンは以前のブログでも書いていますので、そちらもご覧いただけると嬉しいです。

ワセリンについて

 

最後に

という事で、ヒルドイドは、保湿剤としてとても優秀な薬だと思います。

剤形もたくさんあり、季節の時期によって塗り分けたり、体の部位によって塗り分けたりする事ができます。

後発品も含めるとさらに種類が多く、アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹などの人にはとてもいいです。ただ、だからと言って、美容目的の使用はだめです。適量を塗れていない方や継続できない方が多いのも事実です。正しい知識の元に長めに続けて肌をきれいにしていきましょう。

 

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