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帯状疱疹でしてはいけないこと/悪化の予防と注意点:5つのNG行動を皮膚科専門医が解説

[2023.11.15]

以前のブログで、帯状疱疹についてと、帯状疱疹を予防する2種類のワクチンについて話しました。

まだ見ていない方はそちらをご覧ください。↓↓↓

 

 

帯状疱疹ワクチン2種類について

 

今回は残念ながら帯状疱疹にかかってしまった時にやってはいけない事5選について話します。

以下のブログの内容はこちらのYou Tube動画でもお話しています。

それではさっそく始めます。

1、 水ぶくれをつぶしてしまう事

たまにご自身で水ぶくれをつぶしてしまう方がいらっしゃいます。敵はウイルスだけではありません。

不潔な環境で水ぶくれをつぶしてしまうと、細菌感染を併発することがあります。帯状疱疹に罹患しても自宅のお風呂には入っていただき、水ぶくれ部位もやさしく洗ってください。

温めた方がいいので、自宅のお風呂なら湯船につかってかまいません。

2、 水ぶくれ部位を冷やしてしまう事

これもやってしまう人がいますが、帯状疱疹の痛みは神経痛です。

冷やすことにより痛みが強くなってしまう事があります。むしろ温めた方が良いです。

夏の時期は、クラーの温度を熱中症に気をつけながら少し高めに設定したり、冬は暖房をつけて冷やさないように気をつけてください。

先程少し話しましたが、温かいお風呂につかっていただくのも良いです。体力を奪うような長風呂はやめてください。

3、 水疱瘡にかかった事がない人にむやみに近づいたり、触ってしまう事

前のブログでも話しましたが、帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスによって引き起こされます。

水ぼうそうのウイルスが初めて人に感染した場合、全身に赤みを伴った水疱がたくさんできる水ぼうそうとして発症します。

その際に水ぼうそうが良くなってもウイルスは体の中に残ります。帯状疱疹は免疫力が下がる事により、水疱瘡のウイルスが再活性化して起こる病気です。そのため、水疱瘡にかかった事がある人にはうつりません。つまり水疱瘡にかかった事がない人にはうつる可能性があります。

その場合は、帯状疱疹として発症するわけではなく、水疱瘡として発症します。

ただし成人の90%以上は水疱瘡に感染しており、子供に対してはワクチン接種がされている事を考えると感染のリスクはかなり少ないです。

ただ、中には水疱瘡にかかった事がない人がいるのは事実です。

特にご家族に水疱瘡にかかった事がない妊婦さんがいる場合は要注意です。

妊娠中に水ぼうそうにかかると、おなかの赤ちゃんに影響がでてしまう場合があります。

かさぶたになっていない水ぶくれの状態の時は、こうしたリスクのある人には極力近づかないようにし、同居家族がいる場合は、特に注意してください。

4、 帯状疱疹にかかっているのに、無理をしようとする事

繰り返しになりますが、帯状疱疹は免疫力が下がる事により、水疱瘡のウイルスが再活性化して起こる病気です。

それなのに、帯状疱疹と診断して、一通り病気の説明をした後に、「先生、週末ゴルフあるんですけど駄目ですか?とかプールは駄目ですか?」という質問がよくきます。

再度言いますが、帯状疱疹はそんなに甘い病気ではありません。

痛みが残り1年以上苦しむ人や目の近くにできた場合、角膜障害を起こすことがあり、視力障害や最悪失明する事もあります。

また耳に出来た場合、顔面神経麻痺といって、顔の半分が動かなくなる病気を併発してしまう事があります。入院することがある、それだけ重い病気です。

5、 水ぶくれを伴った赤い発疹がでているのに、面倒くさくてクリニックに行かない事

診察をしていると、「数日少し痛みがあって、なんか赤いボツボツでてきたけど、少し痛いぐらいだからしばらくほっておいたら、ものすごく痛くなってきたのできました」という患者さんがまあまあいらっしゃいます。

クリニックに行くのめんどうくさいし、待つのやだし、忙しいのもわかるのですが、診察していてもっと早く来てくれればなあ。と思う事が多々あります。

前のブログでも話しましたが、帯状疱疹の治療薬はありますが残念ながらウイルスを殺す事はできません。ウイルスを抑える薬を内服したり外用したりしてもらいます。そのウイルスをおさえる薬は発症後3日以内から開始すると効果が良くなります。

遅くから開始すること効果が弱いのです。なので、帯状疱疹の治療は早ければ早いほど良いです。だから、できるだけ早くにクリニックに受診する事を強くおすすめします。

 

まとめです。

帯状疱疹になってしまった時にやってはいけない5つは、

1,水ぶくれをつぶしてしまう事

2,水ぶくれ部位を冷やしてしまう事

3、水疱瘡をやっていない人にむやみに近づいたり、触ってしまう事

4、帯状疱疹にかかっているのに、無理をしようとする事

5,水ぶくれを伴った赤い発疹がでているのに、面倒くさくてクリニックに行かない事

 

特に最後の事が言いたくてこのブログを作りました。

せっかく日本では保険制度があり、帯状疱疹の薬は高いですが、保険がききます。

是非、片側で痛みがあり水疱を伴った赤い発疹がでた際には、面倒くさがらず皮膚科受診をお願いいたします。

帯状疱疹に関して言えば、治療は早く開始すればするほどよいです。たくさんの重症患者さんをみている私の切なる願いです。

 

 

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