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帯状疱疹ワクチンの選択:生ワクチン vs. 不活化ワクチン【効果と副作用の比較】シングリックスor弱毒性水痘ワクチンビケン

[2023.10.27]

 

以前のブログで、帯状疱疹について話しました。まだ見ていない方はそちらもご覧ください。

院長ブログ帯状疱疹についてはこちら

 

今回は帯状疱疹のワクチンについて変更になった最新情報も含めて詳しく話したいと思います。

こちらのブログの内容はYou Tube動画でも解説しております。

帯状疱疹とは

軽くおさらいですが、帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスによって引き起こされます。

はじめに痛みがあり、顔・体・四肢どこかの場所に右か左の半分に水ぶくれを伴った赤い発疹がでてくる病気です。

この病気の何が問題になるかというと、ピリピリとした特徴的な痛みはもちろん、目の近くにでると視力障害、最悪失明することもあったり耳にでると顔面神経麻痺などが起こることがあるということです。

この場合は、入院治療が必要となることもあります。

帯状疱疹後神経痛

一番の問題が、皮膚が良くなった後も帯状疱疹後神経痛といって痛みが残る事があるという事です。

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の合併症としては、最も頻度が高く3ヶ月後で約20%6ヶ月後に約10%も合併するというデータもあります。

なんでかかってしまうかと言うと、ウイルスによって神経が傷つけられると言われています。

なりやすい方は、高齢の方、女性、初期の症状の強い方などです。

治療は通常の痛み止めというよりも神経に効く痛み止めや神経ブロックという注射になります。

副作用も強くでる事があり、治療が難しい病気になります。

自分が診察している患者さんでも1年以上苦しんでいる方もいます。恐ろしいですよね。なので、かからないのが一番良いです。

ですが、50歳を超えると発症率が高くなり、80歳までに3人に1人は発症するといわれています。

そのため、ワクチンが大事になってきます。

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹のワクチンですが、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類ワクチンがあります。

この表にあるように違いがあります。

生ワクチンは1回で済み費用は9000円前後と安く、副作用も注射をうった部位の腫れは半分くらいの方にでますが、全身の副反応はあまりでません。

ただ、効果は不活化ワクチンに比べると弱いです。

一方不活化ワクチンは1回2万円~25000円と生ワクチンと比べると費用が高く、2回打たないといけないので総額4万円~5万円となります。

また一番の問題点は、副反応が強くでてしまう点です。

打った部位の痛みが80%くらいの人にでてしまいます。他に全身の副反応として40%くらいの人に筋肉痛・疲労感、30%くらいの人に頭痛、20%くらい人に悪寒・発熱がでます。

ただし、効果は生ワクチンに対し高いです

具体的には、生ワクチンは1回の接種で5年間50%に効果があるところ、不活化ワクチンでは9年以上90%くらいの効果が認められます。

他には、生ワクチンの場合、免疫が低下している人や免疫抑制剤は内服している人は打てませんが、不活化ワクチンの場合は打てます。

ワクチンのおすすめ

どちらがおすすめですか?と聞かれますが、

原則的にあくまで予防治療になりますので、保険が効ききません。市によっては助成金がおりますので、それぞれお住まいの市で確認してください。

お金に問題なければ効果が良いのは不活化ワクチンですが、副反応が一番心配になると思います。人によってはかなり強くでてしまいます。

特に、世界的にまん延している某ウイルスにより、副反応で発熱した際に、限られた医療機関しか受診できなかったり、ウイルス検査が必須になっていましたので、その時にどうするのかが一番の懸念点でした。

そんな状況が緩和された場合は、不活化ワクチンも副反応が許容できるのであれば選択肢にあがるのではないかと思います。それぞれの人の状況により選択してもらうのが良いと思います。

不活化ワクチンですが、最近変更があって医師の判断で50歳以下でも打つことが可能になりました。

いままで、40代後半の方から、「まだ打てないんですね。数年待たないと駄目なんですね」と言われ心苦しかったのですが、それがなくなり私も嬉しいです。ただ、副反応がありますので、あまり低年齢の人に打つ必要がないというのは思っています。40代半ば以降が良いと個人的には思っております。あくまで医師判断になりますので、お近くのクリニックで相談してみてください。

帯状疱疹にかかったあとのワクチン

あと、勘違いされている方がたまにいらっしゃるので話しますが、帯状疱疹にかかって通院されている人が「是非ワクチンを打ちたいのですが」と言われる事があります。

帯状疱疹にかかっている最中にワクチンを打つと悪化してしまいます。帯状疱疹が治った方も帯状疱疹にかかった事によって免疫が強化されていますので、しばらくは打つ必要がありません。

ワクチンの話は、帯状疱疹に過去5年から10年以上かかった事がない40代半ば以上の方の話しです。

まとめです。

今回のブログでは帯状疱疹ワクチンについて話しました。

それぞれメリット、デメリットがあるのでよく考え、医師とも相談してみてください。あと、最近不活化ワクチンの年齢制限が変更になった話しをしました。

たくさんの重症化する帯状疱疹の患者さんを見ているので、40代半ば以上の人は特に打った方が良いと私は思います。

帯状疱疹ページはこちら

帯状疱疹ワクチンページはこちら

この記事を執筆した人
生垣英之
生垣英之

信州大学皮膚科 入局
佐久総合病院皮膚科
信州大学皮膚科
長野赤十字病院皮膚科(科長)
大宮皮膚科クリニック院長
こだま皮膚科院長
古河いけがき皮膚科 開院

皮膚科診療歴20年以上。年間3万人以上の診察を行い地域医療に貢献。YouTubeでは皮膚科疾患について詳しく解説をしています。

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
住所
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