梅毒
梅毒とは、性感染症の一種で、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる病気です。
2022年には1万人を突破してしまい、社会問題にもなっています。
梅毒の原因
皮膚や粘膜から体内に侵入し数時間でリンパ節に達し、そこから血液を巡って全身に広がっていきます。
そのため、時間の経過と共に症状が全身に現れるようになります。
梅毒トレポネーマは温度や湿度の変化に弱いため、皮膚や粘膜などから離れると数時間で感染性を失い、死滅していきます。
梅毒の感染経路
感染者の皮膚や粘膜、血液、体液に潜んでおり、避妊具を使用しない膣性行為だけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、キスだけでも感染します。 そのため、感染部位は性器周辺、口腔粘膜や咽頭周囲の粘膜が多く見られます。
梅毒の潜伏期間
潜伏期間は3~6週間と言われていますが、実際の潜伏期間については個人差による影響が大きく、最短1週間程度で発症する人もいれば、最長90日程度で発症する人もいます。
また、梅毒は症状が出たり消えたりする事が続くのも特徴です。
初期の症状は2~3週間で自然に消え、そのまま放置すると3ヶ月後ごろに症状が現れます。初期の症状は、「変なしこりができたけど、すぐ治った」と見逃されるも事も多いです。
梅毒の症状
病状は1期(感染から約3週間)、2期(1~3ヵ月)、3期(数年から数十年)の3段階に分けられます。
第1期
主に陰部や肛門、口などの感染した部位にしこりや潰瘍ができたり、股の周囲のリンパ節に腫れが起きます。
この後こうした症状は一度治まります。
第2期
第1期の数ヵ月後に2期の症状として、手のひらや足の裏、全身に赤い発疹やぶつぶつ(梅毒性バラ疹)が出ます。
ただし、かゆみや痛みは感じないことが多く、2期の症状も1期と同様に数週間で自然となくなるが、梅毒トレポネーマはそのまま体内に潜伏したままとなります。
第3期
そして数年後の3期になると、やわらかいゴムのような腫瘍が体中にできます。
この時点でも治療を行わないと全身の臓器に障害が広がり、大動脈瘤、神経障害(神経梅毒)などが生じ、命にかかわる重篤な状態になる場合もあります。
梅毒の検査
問診と診察によって梅毒が疑われると判断した場合、検査を行います。
血液検査によって血中の抗体を確認する方法があります。
感染したかもしれないという場合でも、感染から4週間は経っていなければ確認は難しくなっています。
梅毒の治療
梅毒は自然治癒しません。
一時的に症状が消えるなど、回復の兆しをみせることもありますが、決して梅毒が完治したのではなく、一時的に軽減されているだけにすぎません。
梅毒の治療では、主にペニシリン系の抗生剤を用います。
梅毒の予防
- パートナー以外との性行為は行わない
- 性行為の際にコンドームを使用する
- 微熱や全身に違和感がある場合、性行為しない
性行為の際には必ずコンドームを使用し、感染予防に努めてください。また不特定多数の相手と性的な接触を行わないことも重要です。万が一、性行為後に異変を感じたら、早期受診することをおすすめします。
Q&A
Q. 梅毒とはどのような病気ですか?
A. 梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌によって引き起こされる性感染症です。感染すると、進行段階に応じてさまざまな症状が現れます。適切な治療を行えば完治が可能ですが、放置すると重篤な合併症を引き起こすことがあります。
Q. 梅毒の主な感染経路は何ですか?
A. 主に性的接触(性器、口、肛門)を通じて感染します。また、妊娠中の母親から胎児への母子感染もあります。一般的な日常生活での接触では感染しにくいとされています。
Q. 梅毒の症状にはどのようなものがありますか?
A. 感染後、数週間で感染部位にしこりや潰瘍が現れる「第1期」、数ヶ月で全身に発疹が出る「第2期」、数年後に心臓や神経系に影響を及ぼす「第3期」など、進行段階によって症状が異なります。
Q. 梅毒は自然に治ることがありますか?
A. 一時的に症状が消えることがありますが、治療しなければ病気は進行し、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。必ず医療機関での診断と治療を受けてください。
Q. 梅毒の検査はどのように行われますか?
A. 血液検査によって、梅毒トレポネーマに対する抗体の有無を調べます。症状や感染の可能性がある場合は、早めに医療機関で検査を受けましょう。
Q. 梅毒の治療法は何ですか?
A. ペニシリン系の抗生物質を用いた治療が一般的です。治療期間や方法は感染の進行度によって異なります。医師の指示に従い、治療を完了させることが重要です。
Q7. 治療後、再感染することはありますか?
A. はい。治療によって完治しても、再び感染する可能性があります。予防のためには、安全な性行為を心がけ、定期的な検査を受けることが推奨されます。
Q. 妊娠中に梅毒に感染するとどうなりますか?
A. 妊娠中に感染すると、胎児に感染が及ぶ可能性があります。妊婦健診での検査と、感染が確認された場合の適切な治療が重要です。
Q. 梅毒の予防方法はありますか?
A. 性的接触時にコンドームを正しく使用することが感染リスクを減らしますが、完全に防ぐことはできません。不特定多数との性的接触を避け、定期的な検査を受けることが予防につながります。
Q. 梅毒に感染したかもしれないと思ったら、どうすればよいですか?
A. 速やかに医療機関を受診し、検査を受けてください。早期発見・早期治療が、合併症の予防につながります。
- 院長
- 生垣 英之
- 診療内容
- 一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
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