頭のフケやかゆみ、それは病気のサイン?!脂漏性皮膚炎の原因と効果的な治療法
皆さん、ふと自分の頭皮がかゆくなることや、ぱらぱらとしたふけがきになることはアリませんか?今回は、あなたのその頭のかゆみやフケ、病気かもしれない!というテーマでおはなししていきます。
以下の内容はYouTubeでもお話しています。あわせて御覧ください
フケとは
病気の話をする前に、そもそもフケとは、なんでしょうか?
ふけとは頭皮からはがれ落ちた垢のようなものであり、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)によって出る頭皮の老廃物のことです。ターンオーバーの際に古い角質が押し出され、フケとして目視できるようになります。
頭皮が健康な状態であれば、フケは目立ちません。
頭皮の皮脂量や常在菌のバランスが崩れてしまうと、皮膚のターンオーバーが乱れてフケが増加するといわれています。
今回は、そんなフケをともなう疾患でよくある、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の話しをしたいと思います。
脂漏性皮膚炎といってもピンとこない方が多いと思います。頭皮は洗いすぎ、もしくはあらわなすぎでもフケやかゆみの原因になりますが、洗い方を見直してもなかなか治らないフケでお悩みの方にはよくある疾患の一つです。
脂漏性皮膚炎の原因
原因は色々な説がありますが、原因の一つにはマラセチアというカビの一種が関与しています。マラセチアというのは、皮膚にいる常在菌です。マラセチアは皮脂に含まれるトリグリセリドを分解し、遊離脂肪酸を生成します。
これが皮膚炎症の原因となると言われています。他にはホルモンバランスの乱れも原因になります。不規則な生活をしていたり、過度なストレスにより、皮膚症状の悪化がみられる人がいます。他には、食生活の乱れでも悪化が見られます。
脂漏性皮膚炎 の症状
症状がでる体の場所は、頭部、顔の鼻の脇、眉毛、胸の真ん中、わきなどの皮脂腺が発達している場所です。
皮膚の症状としては赤み、かゆみ、かわむけがみられます。頭皮の炎症はフケのような状態を引き起こしたり掻きすぎてしまうと浸出液がでたり掻き傷がかさぶたになったりします。
脂漏性皮膚炎に似た病気としては、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などがあります。
アトピー性皮膚炎は別のブログをあげていますので、リンクを貼っておきますので是非そちらもご覧ください。特に子どもの場合に鑑別が難しい場合があります。接触性皮膚炎も同様な症状が出現することがありこれも注意が必要です。
脂漏性皮膚炎の治療
痒みや炎症が強い場合は、ステロイドの塗り薬を処方します。
ただし、赤みなどが強い場合で、他の薬としては、原因でも話したマラセチアを抑えるためにニゾラールなどの抗真菌剤の塗り薬を出す場合があります。
ビタミンB2やB6が皮脂分泌を調整すると言われているため、内服薬として処方する場合があります。
痒みが強い場合には、抗アレルギー薬を処方します。原因のところでも話しましたが、ホルモンバランスを調整するため、
規則正しい生活も大事です。他には食生活の改善も大事です。
脂質の過剰摂取は肥満の原因となり、その結果皮脂の分泌量も増えやすくなります。このため、脂質の摂りすぎには注意する必要があります。揚げ物など脂質の多い食事を減らすよう心がけましょう。
ビタミンB2やB6を多く含む食物をバランスよく食べるのが良いと思います。
具体的に、B2を多く含む食べ物は、魚介類だと缶詰の水煮やアジの刺身など肉類ならば レバー、ハツなど豆類ならば 納豆、きな粉など乳製品なら チーズ、ヨーグルト、牛乳など他には海苔や卵や緑黄色野菜などです。
ビタミンB6は魚介類なら カツオ、ごまさば、いわしなど野菜類ならブロッコリー 、モロヘイヤ、切り干し大根、などほかはごま、落花生、くるみなどです。
顔の脂漏性皮膚炎
今までわりと頭皮の話しをしていましたが、今度は顔の話しをしたいと思います。
脂漏性皮膚炎が顔だけに症状がでた場合、鑑別になるのが酒さや酒さ様皮膚炎などの病気です。
酒さはいわゆる赤ら顔といわれるものです。
酒さ様皮膚炎は、顔にステロイド外用薬を長期に外用した際にまる病気です。脂漏性皮膚炎でも、ステロイド外用剤を使うので、副作用に注意しながら使用しないといけません。特に顔は皮膚への吸収率が良く、副作用が出やすい場所になります。
そのため、頭皮よりも早く抗真菌剤の外用に切り替えます。
アトピー性皮膚炎を併発している人にはプロトピック軟膏という外用剤を使うこともあります。
アトピー性皮膚炎のブログでもありましたが、使い方には注意が必要になります。ピリピリする場合などは、保湿をしたくなると思いますが、そもそも皮脂分泌が多いところなどで、ワセリンなどをぬると余計に悪化する場合もあります。あ、ワセリンが絶対ダメではないですよ。そういう場合もあるということです。
顔の皮疹の状況を見ながら薬を使いわけます。
勘違いしないでいただきたいのが、皮脂分泌が強い部位だから、よく洗って保湿しないようにしようとしないでください。
顔を洗顔で洗うのは基本的には1日2回までにしてください。
乾燥があると皮脂が足りてないからと余計皮脂を出す傾向にあるので、逆効果です。
脂漏性皮膚炎で 顔にぬる市販薬でおすすめありますか?と聞かれることもありますが、市販薬もステロイドが含まれた薬が多いので注意が必要です。市販薬で短期間で治らなければ病院を受診しましょう。
赤ちゃんの脂漏性皮膚炎
今まで成人の脂漏性皮膚炎について話しましたが、赤ちゃんにも脂漏性皮膚炎は起こります。
ただ、赤ちゃんの場合は生後半年くらいまで、お母さんのホルモンが残っていると言われそのため、皮脂分泌が多い部位に赤みなどがでます。もちろん成長とともに良くなっていくのが期待できるため、症状がひどい場合のみ治療します。
抗真菌剤外用やひどい時のみ短期間ステロイド外用をすることがあります。
脂漏性皮膚炎の市販薬
脂漏性皮膚炎に対して市販薬はどうですか?と質問される事があります。まず、飲み薬に関しては、チョコラBBなどのビタミンBの飲み薬を買って飲むのが良いと思います。
痒みが強ければ、抗アレルギー薬である花粉症の飲み薬が良いと思います。ただし、内服薬を飲むくらい痒いのであれば、病院を受診する事をおすすめします。
塗り薬に関しては、やはり病院で相談するのがおすすめではありますが、まずは頭皮のかゆみ・フケ用と書いてある塗り薬を使ってみてだめなら病院を受診するのが良いと思います。ちなみにニゾラールは市販されていません。
脂漏性皮膚炎はうつるのか
脂漏性皮膚炎はうつりますか?という質問もうける事があります。皮膚の発疹に触れたり、温泉やプールに一緒に入ったとしても、他の人にうつることはありません。
ただし、掻きすぎてじゅくじゅくした場合、2次的に細菌感染になっている時があり、その時は直接触らないようにしてください。
あと、マラセチアの話しをしたと思いますが、マラセチアは常在菌なのでうつりません。
脂漏性皮膚炎にヨーグルトを食べて良くなりますか?という質問もうける事があります。
結論としては、医学的な根拠はありません。ただし、先程も話したようにホルモンバランスなどの関与も言われていて、食生活を見直すと症状が軽くなる可能性はあります。
ヨーグルトには、タンパク質・炭水化物・ビタミンなど、実に多彩な栄養素が含まれています。
治療のところでも話した、ビタミンB2も含まれています。さらに、ヨーグルトは発酵食品であり、腸内環境を整える働きがあるため、それも皮膚の状態をよくする可能性は否定できません。
繰り返しになりますが、だからと言ってヨーグルトだけたべれば治るわけではないので、バランスよく食事をとる事が大事で、ヨーグルトはあくまでその一つです。
脂漏性皮膚炎のシャンプー
よくある質問の一つにシャンプーは何を使えば良いでしょうか?という質問を受けます。
基本的には、色々な種類を使って自分の頭皮に合うかどうかが大事です。友達や家族のおすすめだからと言って必ず自分に合うかどうかはわかりません。
それを踏まえた上で、まず第一にあがるのが、抗真菌剤の成分が入っているコラージュフルフルネクストというシャンプーがおすすめです。皮脂が多い男性向けのすっきりさらさらタイプと、皮脂が比較的少ない女性向けのうるおいなめらかタイプの2種類あります。
泡立ちが悪くすこし物足りなさを感じるかもしれませんが、洗浄力に問題はありません。他には、アミノ酸系洗浄成分を採用しているものがおすすめです。アミノ酸系洗浄成分はマイルドな刺激の洗浄成分であるため、弱った肌も優しく洗うことができます。具体的には、カダソンスカルプシャンプーなどがあります。候補の一つでしかないので、繰り返しになりますが、あくまで使用してみて自分に合ったシャンプーを探すのが大事です。
脂漏性皮膚炎は治らないのか
脂漏性皮膚炎は治らない病気なのですか?と聞かれることもあります.
脂漏性皮膚炎は治らない病気ではありませんが、慢性的な経過をたどる事も多いのも事実です。
その原因としては、マラセチアだけが原因ではなくホルモンバランスの関与や色々な原因が関係しているからです。1つの原因ではないものは治りにくい事が多いです。
まとめ
以上で、脂漏性皮膚炎ブログはおしまいです。
あのしつこい頭の痒みに悩まされている人や頭のフケに悩んでいる人向けにこのブログを作成しました。