水ぶくれ(水泡)ができる
こんな水ぶくれは、早めに受診してください
水ぶくれは、かぶれや靴ずれのような身近なものから、早い治療が大切な病気まで、さまざまな原因でできます。次のどれかに当てはまる場合は、自己判断せずにご相談ください。
すぐに受診してほしいサイン
- 口の中・唇・目にも水ぶくれやただれがある
- 高い熱が出ている、ぐったりしている
- 薬を飲み始めてから、全身に水ぶくれや赤みが広がってきた
- 体の片側に、帯のようにピリピリした痛みと水ぶくれがある(顔に出た場合は特に急ぎます)
- やけどの範囲が手のひらより大きい、または顔・手・陰部のやけど
早め(数日以内)に受診してほしいサイン
- 水ぶくれがどんどん増える、広がっていく
- 潰れたところがジュクジュクして、黄色いかさぶたができた
- 赤みや腫れ、熱っぽさ、痛みが強くなっている
- 高齢の方で、かゆみの強い水ぶくれが体のあちこちにできる
- 同じ場所に何度もくり返しできる
- 糖尿病など持病がある方の足の水ぶくれ
これらの病気がよくみられます
その水ぶくれ潰す?潰さない?
【水ぶくれ注意】キズパワーパッドは貼っていい?医師が教える正しい使い方や危険性と対処法
どこに、どんな水ぶくれ? 病気の見分け方
あくまで目安です。実際の診断は、症状や経過をうかがって医師が行います。
| 病気 | できやすい場所 | 多い年齢・季節 | かゆみ・痛み | 人にうつる? |
|---|---|---|---|---|
| 接触皮膚炎(かぶれ) | 原因に触れた場所 | 年齢・季節問わず | かゆみ | うつらない |
| 虫刺され | 服から出た手足 | 春〜秋、子どもに多い | かゆみ | うつらない |
| 汗疱(異汗性湿疹) | 手のひら・指の横・足の裏 | 春〜夏 | かゆみ | うつらない |
| 水虫(小水疱型) | 土踏まず・足の指の間 | 大人、夏に悪化 | かゆみ | うつる |
| 掌蹠膿疱症 | 手のひら・足の裏 | 大人 | かゆみ・痛み | うつらない |
| 水ぼうそう | 全身(頭皮も) | 子ども、冬〜春 | 強いかゆみ+発熱 | うつる |
| 手足口病 | 口の中・手のひら・足の裏・お尻 | 5歳未満、夏 | 口の中が痛い | うつる |
| ヘルパンギーナ | のどの奥 | 5歳以下、夏〜秋 | のどの強い痛み+高熱 | うつる |
| とびひ | 鼻の周り・かき壊した場所 | 乳幼児、夏 | かゆみ | うつる |
| 帯状疱疹 | 体の片側に帯状 | 50歳以上に多い | ピリピリした痛み | 水ぶくれに触れると、水ぼうそう未感染の人にうつることがある |
| 単純ヘルペス | 唇の周りなど、同じ場所に再発 | 疲れた時 | チクチク・ピリピリ | うつる |
| 水疱性類天疱瘡 | 全身(特に手足・お腹) | 高齢者 | 強いかゆみ | うつらない |
| やけど・低温やけど | 熱いものに触れた場所 | 低温やけどは冬 | 痛み | うつらない |
| 靴ずれ | かかと・足の指 | 新しい靴、長時間の歩行 | 痛み | うつらない |
| 日焼け | 日光に当たった場所 | 夏 | ヒリヒリした痛み | うつらない |
| 薬疹 | 全身 | 新しい薬を飲んだ後 | さまざま | うつらない |

接触皮膚炎(かぶれ)
接触皮膚炎(接触性皮膚炎-せっしょくせいひふえん-とも呼ばれます)とは、皮膚に何らかの物質が触れ、それが刺激やアレルギー反応となって炎症を起こしたものです。
「かぶれ」とも呼ばれ、湿疹や赤み、かゆみ、水ぶくれや腫れなど様々な症状を伴います。基本的には原因物質が触れた部分に症状が現れます。
かぶれ(接触性皮膚炎)は、「アレルギー性接触皮膚炎」と「刺激性皮膚炎」にさらに分かれます。
刺激性皮膚炎の場合
原因物質に触れることで湿疹が起きます。原因物質そのものが持っている毒性や刺激によってかぶれるので、誰にでもアレルギーとは無関係に起きます。
アレルギー性接触皮膚炎
何回もアレルゲン物質という原因物質に触ることによって湿疹が現れます。原因であるアレルゲン物質を除去することによって、割合軽くなる場合が多くあります。

虫刺され(虫刺症)
虫刺されを受けた1~2日後に起こる反応を、遅延型反応と言い、かゆみや赤み・水ぶくれなどのアレルギー反応です。

遅延型反応では、白血球などの炎症反応が刺された箇所に集まり炎症物質を放出。炎症物質が血管を拡張させ、刺された箇所全体の腫れとかゆみを引き起こします。「かゆみを伴い盛り上がる赤いしこり」として出現することが特徴です。
虫刺されの腫れがひどいときは、水ぶくれを生じたり、周囲の皮膚に痛みが生じることもあります。
治療としては炎症を抑える塗り薬や、かゆみ止めの内服などがあります。
水ぼうそう(水痘)
10歳以下の子どもによく見られる感染症で、正式には「水痘」、一般的には「水ぼうそう」と呼ばれます。全身の皮膚に痒みの強い水疱(水膨れ)ができてしまい、発熱を伴います。
原因は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルス。感染力がとても強いため、咳やくしゃみなどを通じた飛沫感染をはじめ、空気感染や接触感染によって広まってしまいます。一人が感染すると、家族間はもちろん、保育園や幼稚園などでも一気に流行するといわれています。
冬から春にかけてかかりやすい病気で、潜伏期間は感染から2週間程度。万が一、成人が発症した場合は、子どもよりも重症化してしまう可能性が高いので注意が必要です。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらや足の裏に膿がたまった小さな水ぶくれ(膿疱)が繰り返し次々とでき、かゆみや痛みを伴うことが多い慢性の皮膚疾患。膿疱の中に細菌はなく、体の他の部位や人に感染することはないです。
手のひらや土踏まず、かかとなどに小さな水疱ができ、やがて膿を持った膿疱ができます。
しばらくすると茶色っぽいかさぶたになり、皮と一緒にむけますが、またすぐ別の場所に膿疱ができるなど、2~4週間のサイクルで再発を繰り返し、全体が赤みを帯びてきます。
周期的に良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴。ひどくなると、うす皮がむけてひび割れが起こり、強い痛みを伴うことも。
手のひらや足の裏以外に、膝やすね、肘、頭などにも症状が現れることがあります。
手足口病
夏季に流行し、7月に感染のピークを迎えるウイルス性の感染症。感染者のほとんどが小児で、5歳未満が80%以上を占めています。
ウイルス感染により、口の中や手足に水疱(水膨れ)ができます。エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなど手足口病を引き起こすウイルスの種類は多数あります。一度感染するとウイルスに対しての免疫はできますが、他の種類のウイルスには免疫がないため、繰り返しかかることがあります。
伝染性膿痂疹(とびひ)
細菌が皮膚に感染することでできる病気。皮膚の一部にできた水ぶくれやただれをかきむしった手を介し、水ぶくれやかさぶたが全身に広がる様子が火事の火の粉が飛び火する様子に似ていることから、とびひとも呼ばれます。
黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌(溶連菌)、A群ベータ溶連菌の作る表皮剥脱毒素(菌体外毒素)が原因。水疱性膿痂疹と、皮膚の一部に膿をもった水ぶくれ(膿疱)ができて厚いかさぶたになる痂皮性膿痂疹の2種類があります。
水疱性膿痂疹は主に7歳未満の乳幼児が夏季にかかることが多いです。痂皮性膿痂疹は季節・年齢に関係なくかかるため、大人でもかかることがあります。アトピー性皮膚炎など、もともと皮膚が荒れている人に多く発症します。
ヘルパンギーナ
主に5歳以下の乳幼児を中心に夏から秋にかけて流行する、いわゆる「夏風邪」の代表格。咳やくしゃみ、おもちゃの共有などを通じて、腸の中で増殖するエンテロウイルスに感染することで発症する。2~5日の潜伏期の後、突然の高熱に続いて喉が痛み、喉の奥に水膨れができて赤く腫れるのが特徴である。強い喉の痛みによって飲食がしづらくなり、脱水症状を起こすこともあるので注意が必要。ほとんどの場合、安静にしていれば1週間ほどで回復するが、まれに重症化するので油断は禁物。免疫力が下がっていると、大人が感染することも。
帯状疱疹
子どもの頃に感染した水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが、疲れやストレスなどの影響で体の免疫力が下がったときに再び活動を始めることによって起こる病気。
通常、体の左右どちらかの神経の流れに沿って、帯状に痛みを伴う赤いブツブツとした発疹や水ぶくれなどがたくさん生じます。
3週間ほどで治ることが多いですが、ウイルスによって神経が傷つくことで発疹がひいても痛みのみが長期間にわたって続くことがあり、その状態は「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれています。帯状疱疹が現れる場所によって、難聴、顔面神経まひ、角膜炎・網膜炎などの合併症を引き起こすことも。
帯状疱疹はワクチンで予防できます
当院では、50歳以上の方を対象に帯状疱疹予防ワクチンの接種を行っています。ワクチンは次の2種類です。
- 生ワクチン(弱毒生水痘ワクチン):1回接種(皮下注射)
- 不活化ワクチン(シングリックス):2ヶ月間隔で2回接種(筋肉注射)
帯状疱疹ワクチンは、完全に帯状疱疹を防げるものではありませんが、発症予防効果と、仮に発症しても痛みなどの症状が軽くて済むといわれています。
接種は完全予約制です。ご希望の方はお電話にてご予約をお願いします(TEL 0280-31-1217)。費用や古河市の助成、定期接種の対象については予防接種ページをご覧ください。
▼ 帯状疱疹について詳しく知りたい方はこちら
帯状疱疹(病気)のページ ›帯状疱疹ワクチン(予防接種)のページ ›
単純ヘルペス(単純疱疹)

ヘルペスウイルスが皮膚、口、唇、目、性器などに感染して、液体で満たされた痛みを伴う小さな水ぶくれが現れる感染症。
ヘルペスウイルスは非常に感染力が強く、水ぶくれに直接触れるだけでなく、ウイルスの付いた粘膜や皮膚と接触することによっても感染します。単純ヘルペスの1型は口唇ヘルペスや単純ヘルペス角膜炎、2型は性器ヘルペスの原因になることが多いですが、1型・2型ともに体の広範囲に感染することもあります。ヘルペスウイルスは感染すると症状が治まった後も体内に潜み続け、体の抵抗力が落ちると再び暴れ出すため、再発を繰り返すという特徴があります。
やけど(熱傷)
一般的な外傷の一つで、熱に接触することで起こる皮膚の損傷をいいます。熱の温度と接触した時間によって損傷の程度が決まります。熱源が非常に高温の場合は短時間の接触で熱傷を起こす一方、40度前後の低温の熱源に長時間接触した場合も熱傷になり、これを低温熱傷(低温やけど)と呼びます。
熱傷の程度は深さによって3段階に分けられます。I度熱傷は表皮まで、II度熱傷は真皮まで、III度熱傷は皮下組織まで損傷が及ぶものを指します。II度の熱傷はさらに「浅達性II度熱傷(浅いII度のやけど)」と「深達性II度熱傷(深いII度のやけど)」に分けられます。熱傷の深さと範囲によって、治るまでの期間や傷痕などの後遺症の有無が大きく違ってきます。
汗疱(かんぽう)・異汗性湿疹
手のひらや指の横、足の裏に、皮膚の中に埋まったような小さな水ぶくれがたくさんできる病気です。強いかゆみを伴うことが多く、乾くと皮がむけてきます。
汗をかきやすい春から夏にかけて悪化しやすく、金属アレルギーが関わることもあります。人にうつることはありません。
見た目が水虫とよく似ているため、区別が大切です。治療はステロイドの塗り薬や保湿剤が中心です。自己判断で水虫の薬を塗ると悪化することがあるのでご注意ください。
水虫(足白癬・小水疱型)
白癬菌というカビの一種が足に感染して起こります。土踏まずや足の指の間に小さな水ぶくれができ、かゆみを伴うのが特徴です。
バスマットやスリッパの共用を通じて家族にうつることがあります。汗や蒸れで悪化するため、夏に症状が出やすくなります。
診断には顕微鏡検査が必要です。抗真菌薬の塗り薬で治療しますが、症状が消えても菌が残っていることが多いため、医師の指示どおり塗り続けることが大切です。
水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)
自分の皮膚を攻撃する抗体ができてしまう、自己免疫の病気です。主に高齢の方にみられます。
強いかゆみを伴う赤い発疹に続いて、破れにくい張りのある大きな水ぶくれが手足やお腹などにできます。初めは湿疹や虫刺されと間違えられやすい病気です。人にうつることはありません。
診断には血液検査や皮膚の検査を行います。範囲が広い場合は飲み薬の治療が必要になるため、ご家族が「かゆがっていて水ぶくれがある」と気づいたら、早めにご相談ください。
靴ずれ・こすれてできた水ぶくれ
新しい靴や長時間の歩行、スポーツなどで皮膚がこすれると、かかとや足の指に水ぶくれができます。
小さなものは潰さずに保護すれば、自然に吸収されることがほとんどです。破れてしまった場合は、水道水で洗って清潔に保ちましょう。
赤みや腫れ、膿が出てきた場合は細菌に感染している可能性があります。糖尿病のある方は小さな傷でも悪化しやすいため、早めに受診してください。
日焼け(日光皮膚炎)による水ぶくれ
強い紫外線を浴びると、数時間後から皮膚が赤くなり、ヒリヒリと痛みます。日焼けは「やけど」の一種で、水ぶくれができた場合はII度のやけどにあたります。
まずは冷やして、水ぶくれは潰さないようにしましょう。範囲が広い場合や、発熱・だるさを伴う場合は受診をおすすめします。
低温やけど
湯たんぽやカイロ、電気あんか、ホットカーペットなど「心地よい温かさ」のものに、長時間触れ続けることで起こるやけどです。冬に多く、眠っている間に起こることがよくあります。
見た目は赤みや小さな水ぶくれだけでも、実は皮膚の深いところまで傷んでいることが少なくありません。数日たってから皮膚が黒くなることもあるため、軽そうに見えても受診してください。
薬疹(やくしん)
飲み薬や注射などに対するアレルギーで、皮膚に発疹が出るものです。多くは赤いブツブツですが、まれに水ぶくれやただれを伴う重いタイプがあります。
薬を飲み始めてから数日〜数週間後に発症することが多く、高い熱や、口・唇・目のただれを伴う場合は緊急の対応が必要です。自己判断で薬を飲み続けず、すぐにご相談ください。受診の際は、飲んでいる薬がわかるお薬手帳をお持ちください。
よくある質問(Q&A)
Q. 水ぶくれは潰してもいいですか?
基本的には潰さずに残してください。水ぶくれの皮は、下の皮膚を細菌から守る「天然の絆創膏」の役割をしています。ただし、大きくて破れそうなものは、医師が清潔な処置で中の液を抜くことがあります。
Q. 潰れてしまったら、どうすればいいですか?
水道水でやさしく洗い流し、清潔なガーゼや絆創膏で保護しましょう。めくれた皮は無理にはがさず、そのままにしておきます。赤みや腫れ、膿が出てきたら受診してください。
Q. キズパワーパッドのような絆創膏は貼ってもいいですか?
靴ずれや小さなやけどなど、原因がはっきりした清潔な傷には向いています。一方で、とびひやヘルペスなど感染症の水ぶくれ、膿を持っている傷に貼ると、かえって悪化することがあります。原因がわからない水ぶくれには、貼る前にご相談ください。
Q. お風呂に入ってもいいですか?
多くの場合、シャワーで清潔に保つことは大切です。水ぶくれはこすらず、泡立てた石鹸でやさしく洗って流しましょう。とびひや水ぼうそうの時は、湯船は避けてシャワーにし、タオルの共用も控えてください。
Q. 保育園や学校は休まないといけませんか?
水ぼうそうは、すべての水ぶくれがかさぶたになるまで出席停止です。とびひや手足口病は、症状や園・学校の方針によって異なります。登園・登校の目安は、診察の際にお伝えしますのでご相談ください。
Q. 市販薬で様子を見てもいいですか?
原因がはっきりした小さな靴ずれや軽い虫刺されなら、様子を見ても構いません。ただし、水ぶくれは原因によって治療がまったく違います。たとえば、汗疱に水虫の薬、とびひにステロイドを塗ると悪化することがあります。数日で良くならない場合や広がっている場合は、早めに受診してください。
Q. 帯状疱疹は予防できますか?
50歳以上の方は、ワクチンで予防できます。当院でも接種を行っています。帯状疱疹ワクチンについて詳しくはこちら
この記事の監修
古河いけがき皮膚科 院長 生垣英之
日本専門医機構認定 皮膚科専門医
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- 院長
- 生垣 英之
- 診療内容
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