脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が盛んな部位に生じる慢性的な皮膚疾患です。頭皮、顔、胸部、背中などに発生しやすく、赤みやかゆみ、フケのような皮膚の剥がれが特徴です。思春期以降に発症することが多く、ストレスや季節の変化などが症状を悪化させることがあります。
脂漏性皮膚炎の種類
脂漏性皮膚炎は、子どもから大人まで発症する可能性のある皮膚疾患で、大きく2種類に分けられます。
乳児型脂漏性皮膚炎
乳児型脂漏性皮膚炎は、生後2週目ごろからみられる場合が多いです。
乳児の約3分の1に認める炎症性疾患でそれほど珍しい病気ではありません。
生後半年~1年までの間に自然に治ることが多いので、心配しすぎなくても大丈夫です。
ただし、かゆみによって肌を搔いてしまうと悪化することもあるため、しっかりスキンケアを行いましょう。
成人型脂漏性皮膚炎
成人型脂漏性皮膚炎は、30~40代に最も多く、女性よりも男性の方に多く発症します。
乳児型と異なり、成人型の脂漏性皮膚炎は自然に治ることはまれです。
乾燥で皮脂の分泌が増えたり、ストレスがかかったりすると悪化します。
顔や髪の生え際などの皮脂分泌が多い部分に症状が出やすいのが特徴です。
以下の説明は、政治んが他の脂漏性皮膚炎についての説明となります。
原因
脂漏性皮膚炎の原因は複数ありますが、主なものとして皮脂分泌の過剰、皮膚に常在するマラセチア菌の増殖、そして免疫系の異常反応が挙げられます。また、遺伝的要因やホルモンバランスの変化、ストレス、生活習慣なども発症や悪化に寄与することがあります。
症状
脂漏性皮膚炎の症状は、皮脂が多く分泌される部位に現れます。主な症状としては、赤みやかゆみ、フケ、皮膚の剥がれ、炎症が挙げられます。頭皮に発生すると、大量のフケやかゆみを伴い、顔では特に鼻周りや額に赤い斑点やかさぶたができることがあります。
検査
特別な検査は不要です。
皮膚の状態を見せていただき、ほかの病気の可能性がなければ、脂漏性皮膚炎として治療を開始します。
診断
診断には、患者の症状や病歴の確認、皮膚の状態の視診が基本となります。
特に特徴的な部位での赤みや皮膚の剥がれ、かゆみなどが診断の決め手となります。他の皮膚疾患との鑑別診断が重要です。間違えやすい病気としては、アトピー性皮膚炎があります。
治療
脂漏性皮膚炎の治療には、外用薬や内服薬が使用されます。外用薬には、抗真菌剤やステロイド剤、免疫抑制剤が含まれ、皮膚の炎症や菌の増殖を抑えます。また、頭皮の場合には、抗真菌シャンプーの使用が推奨されることがあります。内服薬は、症状が重い場合や外用薬が効果を発揮しない場合に用いられます。
生活指導
脂漏性皮膚炎の予防や再発防止には、日常生活の工夫が重要です。
皮膚の清潔
洗顔、洗体、洗髪は1日1,2回によって脂漏部位を清潔に保つことが大切です。
頭皮の脂漏性皮膚炎には専用シャンプー
抗真菌薬を含んだシャンプー、リンス、石鹸に変えることが頭皮環境の改善に役立つことがあります。
肌をこすらない
皮脂は本来、肌をさまざまな刺激から守るために分泌されます。かいたり擦ったりすることで、肌を守ろうとして炎症を誘発してしまい悪化しやすくなります。
皮膚の刺激を避ける
症状がでている部分に関しては髪染め、パーマ、ファンデーション、化粧品などは使用しないようにしましょう。
紫外線を避ける
紫外線は皮脂を脂肪酸に変える働きがあるため、皮膚のダメージを促進します。紫外線の強い季節は、帽子や傘で日よけをしましょう。
食生活に注意
暴飲暴食や偏った食生活も、皮膚症状を悪化させます。特にビタミンB2やB6が欠乏すると皮膚症状が現れやすくなるといわれています。ビタミンB群は皮膚の代謝を改善し、炎症のダメージ回復を早める働きをします。油分の多い食事は避けましょう。
- 院長
- 生垣 英之
- 診療内容
- 一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
- TEL
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