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花粉がもたらす肌あれトラブル!花粉皮膚炎の原因、症状から対策まで徹底解説

[2024.03.11]

こんにちは 茨城県古河市で皮膚科・美容皮膚科を開業しております、皮膚科診療歴20年以上の医師の生垣英之がおおくりします。 

皆さんは2月から4月頃の花粉の時期になると鼻水やくしゃみだけでなく、肌にかゆみがでたり、まぶたが腫れぼったくなった経験はありませんか?

それ、もしかしたら花粉が原因かもしれません。

花粉による肌荒れのような症状は、花粉皮膚炎といって、花粉症の人にはもちろん、くしゃみや鼻水が気になったことのない人にも出る可能性がある皮膚の病気です。

今回はそんな花粉皮膚炎について話したいとおもいます。 

このブログの内容は以下のYou Tubeでも解説しております。

 

花粉皮膚炎とは

花粉皮膚炎の好発部位

花粉皮膚炎の薬

スキンケアについて

予防について

【花粉皮膚炎とは】 

そもそも花粉皮膚炎とはなんでしょうか?

花粉皮膚炎は、春先に花粉が大量に飛散する季節に、花粉との接触によって引き起こされる皮膚トラブルです。

通常、花粉症として知られるくしゃみや鼻水、目のかゆみの症状とは別に、皮膚に直接影響を及ぼします。

主な症状には、皮膚のかゆみ、赤み、乾燥などが挙げられます。この症状は、花粉との接触によって皮膚にかぶれが起こり痒みや炎症を引き起こします。

特に、皮膚が乾燥している場合や、既に敏感な状態にある場合には、症状が悪化しやすくなります。

なので花粉皮膚炎は花粉による接触性皮膚炎と言えます。接触性皮膚炎とは、かぶれの事です。

かぶれには主に2種類あります。

①アレルギー性のかぶれと

②刺激性のかぶれです。

アレルギー性のかぶれは、例えば何かに触れたら必ずかぶれる場合で、刺激性のかぶれは皮膚の状態が悪かったりしたときだけかぶれて、皮膚の状態が良ければかぶれないという違いがあります。金属の例をあげると、ネックレスや時計をしたときに必ず赤みがでて痒くなる場合は、アレルギー性で、たまになる場合は、刺激性になります。 

花粉皮膚炎は両方が考えられるので、花粉症でない人でもなります。 

アレルギー検査して陰性だからといって、花粉皮膚炎を否定する事はできません。 

花粉皮膚炎は、個人のアレルギー反応や皮膚の状態によって症状の程度が異なります。

軽度の場合は一時的なかゆみや赤みとして現れることもありますが、重度の場合には激しいかゆみや湿疹が生じ、生活の質にも大きな影響を与えることがあります。 

【花粉皮膚炎好発部位】

花粉皮膚炎はどこの部位にできやすいでしょうか?

先程言ったように、花粉皮膚炎は、花粉との接触によって引き起こされる皮膚トラブルですので、顔や首筋、特に目の周りや口の周りなど、露出が多い部位が好発部位として挙げられます。

世界的に大流行したウイルス感染症の影響もあり、割とマスクする方が多いので、口の周りは流行前に比べると少なくなったように思います。

花粉が顔や首筋に直接触れることで、皮膚のかゆみや赤みが生じます。

特にまぶたなど目の周りは皮膚が薄くデリケートなため、刺激に敏感な場合が多く、かゆみや炎症が起こりやすい部位です。 

【花粉皮膚炎の薬】 

花粉皮膚炎の症状を和らげるためには、薬を適切に使うことが重要です。

花粉皮膚炎の治療には、主に次のような種類の薬が使用されます。 

抗ヒスタミン剤

内服薬が挙げられます。抗ヒスタミン剤は、かゆみの症状を抑えるのに効果的な薬です。これにより、花粉が皮膚に触れた際のアレルギー反応を抑制し、症状を緩和します。

保湿剤

花粉皮膚炎の症状を軽減するのに役立ちます。皮膚の乾燥が症状を悪化させることがあるため、保湿剤を使って皮膚をしっかりと保湿し、バリア機能を高めることで症状の改善が期待できます。 

特に目の周囲は、皮膚が薄く敏感な部位ですので、保湿だけでも有効な場合があります。ワセリンを塗るのも良いと思います。

以前にワセリンのブログをだしています。そちらも是非ご覧になってください。https://ikegaki-hifuka.com/?p=3618

 

ステロイド

赤みが強かったり、または痒みが強く掻いてしまい赤くなってしまった方には、ステロイドの外用剤を処方する事もあります。ステロイド剤は、炎症を抑える働きがあり、かゆみや赤みなどの症状を効果的に和らげます。ただし、長期間の使用や大量の使用は副作用のリスクがあります。副作用としては、ニキビみたいな赤いボツボツができたり、皮膚が薄くなったり、血管が拡張してしまう事があります。そのため、慎重に使用する必要があります。医師の指示に従って正しく使用することが重要です。 

舌下免疫療法

最後にアレルギー性の花粉皮膚炎のある方には、花粉症を治療する事によって症状を和らげる効果が期待できます。完治が期待できる治療としては、スギ花粉症であれば舌下免疫療法があります。

舌下免疫療法についても過去にブログをだしているので、こちらもリンクを貼ってきます。 https://ikegaki-hifuka.com/?p=4365

 

【花粉皮膚炎のスキンケア】 

次は花粉皮膚炎のスキンケアについて話します。

肌が花粉によって刺激を受けているときは自分の肌にあった適切なスキンケアが非常に重要です。花粉皮膚炎に対するスキンケアのポイントをいくつかご紹介します。 

まず、日常生活での花粉対策が不可欠です。外出時にはマスクや帽子を着用し、肌を花粉から保護します。

また、帰宅後には速やかにシャワーを浴びて花粉を洗い流し衣類もこまめに洗濯することが大切です。

洗顔に関しては、肌を優しく洗い、過度な摩擦や強い洗浄力のある製品を避け、低刺激性の洗顔料を選びましょう。

また、洗顔後はすぐに保湿を行うことで、肌の水分を保ち、乾燥から守ります。保湿ケアも欠かせません。皮膚が乾燥していると、花粉に対する反応が強くでてしまうので、保湿効果の高い化粧水や乳液、クリームを使って肌をしっかりと保湿しましょう。 

さらに、刺激の少ない化粧品を選ぶことも重要です。合成香料や着色料、アルコールなどの刺激成分が含まれていない製品を選び、肌への負担を最小限に抑えましょう。また、メイクを落とす際には、マイルドなクレンジング剤を使用し、肌への負担を軽減します。 

最後に、月並みですが、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠も美しい肌を保つために重要です。バランスの取れた食事や十分な睡眠は、肌の健康をサポートし、花粉皮膚炎の症状を軽減する効果が期待できます。 

【花粉皮膚炎の予防】 

花粉皮膚炎の予防について話します。 

先程も言いましたが、花粉の飛散量が多い季節には、外出時にマスクや帽子、サングラスなどを着用することが重要です。

これにより、花粉が皮膚や目に直接触れるのを防ぎ、症状の発生を抑えることができます。

さらに、衣服や寝具の花粉を取り除くことも重要です。外出時には帰宅後に衣服を交換し、洗濯を行うことで花粉を取り除きます。また、寝具も定期的に洗濯して清潔に保つことで、睡眠時に花粉が皮膚に付着するリスクを減らすことができます。 

加えて、部屋の換気や空気清浄機の利用も有効です。室内の空気中に漂う花粉を取り除くことで、部屋の空気が清浄に保たれ、症状の発生を防ぐことができます。 

以上で、花粉皮膚炎のブログはおしまいです。

スギ花粉症がある方は特に春先はとても憂鬱になりますよね。目のかゆみやくしゃみでもとてもつらいのに、肌もかゆく赤くなってしまうと、特に顔によく症状が出る場合が多いのでとても目立って嫌になりますよね。そんな方のために少しでも役に立てば良いと思い、このブログを作成しました。 

当院の花粉肌荒れページはこちら

スギ花粉舌下免疫療法のページはこちら

アレルギー科花粉症ページはこちら

 

 

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