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【危険?安全?】“シミに効く漂白クリーム”って本当?ハイドロキノンの効果と副作用と使い方を皮膚科医がわかりやすく解説!

[2025.05.30]

今回は、シミの治療に使うことが多い、この成分!ハイドロキノンについてお話していきたいとおもいます。肌の漂白剤と呼ばれるこの成分ですが、効果も高いですが、注意しなければいけない副作用もあるので、それをしっかり解説していきたいと思います!
以下の内容はこちらのYouTubeでも解説しています。

 

1. ハイドロキノンの効果

まず、ハイドロキノンの一番の特徴は「美白効果」なんですが、これは単に“肌を白くする”というより、「シミや色素沈着を薄くする効果」があるという意味なんです。メラニンという色素が肌にたまることで、シミやくすみが目立つようになりますよね。このメラニンを作るのが「チロシナーゼ」という酵素なんですが、ハイドロキノンはそのチロシナーゼの働きを強力にブロックします。つまり、新しくメラニンが作られるのを防ぐことができるんです。
それだけじゃありません。ハイドロキノンは、すでに作られてしまったメラニンを分解・排出するサイクルを促すとも言われています。なので、できてしまったシミを薄くしながら、これからできるシミも予防するという、ダブルの効果があるんですね。
特に、炎症後色素沈着や、紫外線によるシミ、肝斑などの治療にもよく使われています。これらの症状に悩んでいる方には、かなり頼もしい成分です。

2. 美白効果のメカニズム

では次に、ハイドロキノンの「美白効果のメカニズム」についてご説明しますね。
私たちの肌の色は、「メラニン」という色素の量によって決まっています。このメラニンは、紫外線を浴びたり、炎症が起きたりすると、肌の中にあるメラノサイトという細胞が「チロシナーゼ」という酵素を使って作り出します。これは肌を守るための自然な働きなんですが、メラニンが過剰に作られると、シミやくすみの原因になってしまうんですね。
ここでハイドロキノンの出番です。ハイドロキノンは、このチロシナーゼの働きをピタッと止めてしまうんです。たとえるなら、工場のスイッチをオフにして、メラニンという「色素のインク」が作られなくなるようなイメージです。だから、これから新しくできるシミを予防することができるんですね。
さらに一部では、ハイドロキノンには既にあるメラニンを分解する働きもあるとされており、今あるシミを薄くしていく効果も期待できます。
このように、ハイドロキノンは「作らせない」と「薄くする」の両方にアプローチできる、非常に優れた美白成分なんです。

3. ハイドロキノンはどんなシミにも効くのか?!

ここでよく聞かれるのが、「ハイドロキノンって、どんなシミにも効くんですか?」という質問です。
結論から言うと、「すべてのシミに効くわけではないけど、特定のタイプのシミには非常に高い効果が期待できる」というのが答えです。
ハイドロキノンが特に効果を発揮するのは、メラニン色素が原因になっているシミです。具体的には、紫外線による「老人性色素斑」、ニキビ跡やかぶれ、虫刺されのあとにできる「炎症後色素沈着」、さらには「肝斑」にもある程度の効果が期待できます。これらはメラニンが関与しているので、ハイドロキノンの“メラニンを抑える力”がしっかり働くんですね。
一方で、効果が出にくいシミもあります。たとえば「そばかす(雀卵斑)」は遺伝的な要因が強く、完全に消すのは難しいですし、「太田母斑」や「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」のような真皮に色素があるタイプのアザには、ハイドロキノンはほとんど効果がありません。
なので、シミの種類によっては、レーザー治療など他のアプローチが必要になることもあります。
ハイドロキノンを使い始める前に、まずは皮膚科でしっかり診断を受けて、自分のシミのタイプを見極めることが大切です。次はハイドロキノンの副作用についてお話していきます。

4. ハイドロキノンの副作用(発がん性と経皮吸収)

さて、ここまでハイドロキノンの効果についてお話ししてきましたが、「副作用は大丈夫ですか?」という心配の声もよく聞きます。特に、「発がん性があるって聞いたんですが…」といったご質問を受けることもあります。
この発がん性についてですが、実は一部の動物実験で、高濃度のハイドロキノンを長期間使った場合に、腫瘍ができたという報告がありました。ですがこれは、かなり特殊な条件下での話で、人間が日常的に使用するような2〜4%程度の濃度で、しかも外用(皮膚に塗る)で使う場合には、今のところ明確に「発がん性がある」と示されたデータはありません。
もう一つの心配が「経皮吸収」、つまり皮膚から体の中に入ってしまうのでは?という点ですね。
これも結論から言うと、通常の使い方であれば体内に吸収される量はごくわずかです。顔の一部分のシミにポイント使いする程度であれば、全身に影響が出るようなことはまずありません。
ただし、肌のバリア機能が落ちている状態や、広範囲に塗ってしまった場合には、刺激が強くなることがあります。赤み、かゆみ、軽度の皮むけなどの副反応が出ることもあるため、初めて使用する方はまず狭い範囲で様子を見るのが安心です。
まとめると、正しく使えば比較的安全な成分ですが、使い方を間違えると肌トラブルを起こすリスクもあります。自己判断で長期使用するのではなく、皮膚科で相談しながら使っていくのがベストです。

5. ハイドロキノンの注意点

ハイドロキノンを使ううえで、いくつか大切な注意点があります。まず1つ目は「酸化しやすい」という性質です。ハイドロキノンは光や空気、熱に弱くて、開封後に時間がたつと茶色く変色してくることがあります。こうなると、効果が落ちるだけでなく、肌への刺激も強くなるので、色が変わっていたら使用は控えてください。
2つ目は「肌への刺激」。人によっては赤みやかゆみ、ピリピリ感、皮むけなどが出ることがあります。特に初めて使うときは、まず少量を狭い範囲に使って、肌に合うか確認するようにしましょう。
3つ目は「紫外線対策」です。ハイドロキノン使用中の肌は紫外線に敏感になるため、朝は必ず日焼け止めを使ってしっかりガードしてください。
最後に、長期間の連用は避けた方がいいと言われています。効果が出てきたら一度中止して、医師と相談しながら使い続けるかを決めるようにしましょう。

6. ハイドロキノンの使用方法(試用期間と頻度、具体的な使用方法)

ここでは、ハイドロキノンの具体的な使い方についてお話ししますね。
まず、基本は1日、1~2回朝夜で、シミの部分にピンポイントに塗ります。もし1日1回でしたら夜の洗顔後に塗ることをおすすめしています。というのも、ハイドロキノンは紫外線に弱く、日中に使うとかえって肌に刺激を与えることがあるからです。朝塗る場合はしっかりと日焼け対策をしましょう!
洗顔後、化粧水や美容液で肌を整えたあとに、気になるシミの部分にだけ、綿棒や指の腹を使って少量をやさしく塗ってください。顔全体に広げて塗るのは避けて、あくまで“ポイント使い”が基本です。
そのあと、いつもの保湿クリームなどで肌をしっかり保湿してあげましょう。
ハイドロキノン使用中は必ず日焼け止めを塗ってください。紫外線はシミの原因になりますし、ハイドロキノン使用中は肌が敏感になっているので、紫外線対策はとても重要です。
使用頻度としては、はじめは1日1回からスタート。赤みやかゆみが出なければ、毎日続けても大丈夫です。
使用期間の目安は2〜3ヶ月。ある程度効果が見えてきたら、一度中止して肌の様子を見ることも大切です。長期的な連用は避け、医師の判断のもとで再開するようにしましょう。

7. ハイドロキノンと併用する成分(おすすめ、避けるべき成分)

ハイドロキノンを使うときに、「ほかの化粧品と一緒に使っても大丈夫ですか?」とよく聞かれます。
結論から言うと、相性の良い成分と、避けた方がいい成分がありますので、そこをしっかり把握しておくことが大切です。
まず、おすすめの併用成分としては「ビタミンC誘導体」「トラネキサム酸」があります。
ビタミンC誘導体はメラニンの還元作用があり、ハイドロキノンと一緒に使うことでより高い美白効果が期待できます。トラネキサム酸も肝斑や炎症後の色素沈着に有効なので、併用に向いています。
一方で、避けたほうがいい成分としては、「レチノール」「AHA(フルーツ酸)」「BHA(サリチル酸)」などのピーリング系の成分があります。これらは角質を薄くしたり、刺激が強いことがあるため、ハイドロキノンと一緒に使うと肌トラブルの原因になりやすいです。
肌が敏感になっている時期は、まずハイドロキノン単独で使ってみて、様子を見ながら併用を検討すると安心です。

8. ハイドロキノン配合の化粧品について

最近では、ドラッグストアや通販などでも「ハイドロキノン配合」と書かれた化粧品をよく見かけるようになりましたよね。
こうした市販のハイドロキノン化粧品は、濃度が比較的低く抑えられていて、多くの場合は1〜2%程度のものが主流です。刺激が少なく、肌にやさしい処方になっているため、初めて使う方や敏感肌の方でもトライしやすいというメリットがあります。
ただし、その分効果はマイルドで、濃いシミや肝斑などにはやや物足りないこともあります。しっかりとした効果を期待するのであれば、皮膚科で処方される医療用のハイドロキノンクリーム(3〜5%などの高濃度)がオススメです。こちらは濃度が高い分、効果も出やすいですが、刺激も強くなるため医師の管理のもとでの使用が基本になります。
また、市販品でも保管方法には注意が必要で、使用後はキャップをしっかり閉めて、冷暗所に保存するなど、酸化を防ぐ工夫が大切です。
まとめると、手軽に使える市販品と、効果を重視した処方薬、どちらが自分に合っているかを判断するには、まずシミの種類や肌質の診断を受けることが大切です。わからないときは、ぜひ皮膚科でご相談くださいね。

9. 妊娠中のハイドロキノンの使用について

最後に、「妊娠中や授乳中にハイドロキノンを使っても大丈夫ですか?」というご質問についてお答えしますね。
結論から言うと、妊娠中・授乳中の使用は基本的におすすめしていません。
というのも、ハイドロキノンが体内にどれくらい吸収されるか、また赤ちゃんにどのような影響を与えるかについて、明確な安全性が証明されていないからです。経皮吸収の量自体は少ないとされてはいますが、万が一のリスクを考えると、使用は控えたほうが安心です。
妊娠中はホルモンバランスの影響で、「肝斑」などの色素沈着が出やすくなります。そのためシミが気になる方も多いのですが、ハイドロキノンの代わりにビタミンC誘導体や保湿重視のケアを取り入れるのが安心でおすすめです。また、紫外線対策を徹底するだけでも、シミの悪化をかなり防ぐことができます。
出産後にホルモンバランスが落ち着くと、自然に色素沈着が薄くなるケースもありますので、焦らず安全第一でケアしていきましょう。
もしどうしても治療を始めたいという場合は、必ず皮膚科医に相談して判断を仰いでくださいね。

まとめ

いかがでしたか?
今回は「肌の漂白剤」とも呼ばれるハイドロキノンについて、その効果や使い方、副作用、注意点などを詳しくお話ししました。
ハイドロキノンは、正しく使えばとても強力な美白成分ですが、使い方を間違えると肌トラブルの原因になることもあります。
特に、初めて使う方や、敏感肌の方、妊娠中・授乳中の方などは、自己判断せずに皮膚科での診察を受けてから使うようにしてください。
シミや色素沈着に悩んでいる方は、一人で悩まず、まずは専門医に相談することが、美肌への第一歩です。

当院のハイドロキノンページはこちら

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
住所
〒306-0003
茨城県古河市緑町54-33
最寄駅
JR宇都宮線古河駅

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