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大人も要注意!手足口病の5つの勘違いとは?医師が解説

[2024.09.11]

2024年7月現在手足口病が大流行しています。前回のブログで、手足口病の解説をしたので、病気についてはそちらをご覧ください。リンクを貼っておきます。

詳しくはこちら

今回のブログはその子どもの病気だと思われている手足口病ですが大人にも感染することがあります。その際によくやってしまう多くの人がやっている勘違いの行動についてのブログになります。
病気や対処法を正しく知り、手足口病という病気と正しく向き合うためのブログとなっております。
こちらのブログの内容は以下のYouTubeでも解説しております。あわせて御覧ください。

手足口病とは

まず手足口病について、簡単に話します。手足口病は、主に小児に見られるウイルス性の感染症で、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因です。手足口病の主な症状には、発熱、喉の痛み、手のひら、足の裏、口内に発疹が出ます。発疹は、赤い斑点や水ぶくれとして現れ、症状は軽度であることが多いですが、稀に重症化することもあります。
人から人への接触や、感染者が触れた物や場所を介して広がります。感染者の咳やくしゃみ、または便から排出されるウイルスが周囲に拡散し、手指を通じて口に入ることで感染が成立します。ウイルスは口腔内や便からも排出されるため、衛生管理が非常に重要です。手足口病は主に夏に流行します。手足口病は通常軽症で、自宅での安静と対症療法で回復が見込まれますが、発熱が長引く場合や症状が重い場合は、医療機関を受診することが推奨されます。以上が手足口病の簡単な説明です。

それでは、大人の手足口病で多い勘違い5選を始めます。

1, 大人はかからないと思い込み。家庭内で感染対策をしない

まず、手足口病かかる年齢層が、90%が5歳以下と言われています。それなので、子供の病気として考えられることが多く、大人は手足口病にかからないと思っている人も多いです。診察室で発疹を見て手足口病ですねって言うと子供の病気じゃないのですか、大人もなるんですね。と言う患者さんも多いです。そして手足口病の話をするとそういえば熱もあったし、体もだるかったしそういうことかって言う方もいます。あと子供よりも大人の方が悪化する場合が多く、関節痛や筋肉痛や高熱が出たりします。また手足の発疹の痛みが強く、特に足裏に出てしまうと歩けないほど痛みが強い方もいらっしゃいます。
なので手足口病は大人の方も感染してしまいます。ただやはりほとんどは自分のお子さんからの感染が多いです。他には保育園の先生もなることが多いです。まれに周囲に手足口病の症状がない人でも大人でも手足口病になってしまう場合もあるので、手や足や口などに皮疹が出た場合は、大人の方でも手足口病の可能性を考えてください。先ほど言ったように家庭内の感染が多いですので、感染予防がとても大事になります。まず第一に手洗いの徹底。手足口病のウィルスは主に接触を通じて広がるため、こまめな手洗いが非常に重要です。このウィルスにはアルコール消毒が効きにくいため、石鹸で手を洗ってウィルスを効果的に除去してください。あと自分の子供にも手を口に入れる前や食事を始める前に手を洗ってもらうようにすると良いでしょう。もちろん食事の後にも手を洗ってください。あと可能であれば、食事を別々にするなどの対策も必要になります。後はおもちゃなどや子供がよく触る場所などは定期的に清掃し、消毒することが予防に役立ちます。あとご自身も免疫力が下がると感染しやすくなりますので、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけることが大事です。大人はならないと思っていると、子供が手足口病になってしまった場合、家庭内で感染予防をしない人がいますので、正しい知識を持ちましょう。

2,特効薬があると思う

診察していると、私は手足口病の可能性が高いので、治療薬お願いしますと言ってくる方がいらっしゃいます。残念ながら手足口病には特効薬はありません。体の免疫力で体調が良くなってくるのを待つしかありません。対症療法といって、熱に対しては解熱剤。咳に対しては咳止め。口の中の痛みに対しては粘膜保護剤の処方などです。皮膚に対しても炎症を抑える外用剤をだします。症状をおさえて、体調がもどってくるのを待つ事になります。と話すととてもがっかりした顔をされる方がいらっしゃいます。
なので、手足口病は症状が軽ければ様子をみてもらってかまいません。もちろん、病院に受診しないでという意味ではありません。診断が難しい場合もありますし、先程言ったように症状を緩和させる事はできます。ただ、基本的には自分の免疫力で治癒させる病気になるという事を理解しておく事が大事です。

3、水ぶくれをつぶしてしまう

あと意外にあるのが水ぶくれを自分でつぶしてしまう人がいます。水ぶくれを自分でつぶしてしまうとばい菌が入りやすくなります。手足口病は先ほどから言っているようにウィルスの感染症ですが、ばい菌が入ることによってばい菌感染を併発してしまうことがあります。ばい菌感染が併発してしまうと自然に治らず、抗生剤を使わないと治らない事があります。なので、水ぶくれは潰さないようにしてください。水ぶくれがとても痛くて仕方ない場合は医療機関を受診してください

4,爪にも症状がでるのを知らない

これは大人も子供も同様ですけれども、手足口病はいろいろなウィルスでなることを話しましたが、コクサッキーA6型ウィルスに感染すると爪が剥がれてしまうことがあります。これは、ウィルスが爪の根元に入り水ぶくれを作り、そのため爪を作る細胞がダメージを受け、正常に爪が作られなくなる事が考えられています。この時に作られた爪が少しずつ伸びて、そのうちはがれると思われます。爪が剥がれる指は1本の事や複数本のこともあります。手足の指の爪が全て剥がれたケースもあります。
爪が剥がれる前には爪が不自然に浮いて、白っぽく見えたり、横に割れたりします。問題は爪が剥がれ始めるのは手足口病を発症してから数週間以降です。発症から2ヶ月以上経過してから爪が剥がれてきていると気づくこともあります。それなので手足口病と関係なく爪が剥がれてきてしまっていると勘違いすることがよくあります。もちろん爪が剥がれてくるのは手足口病だけではなく、爪甲剥離症とか他の疾患でも爪が剥がれてくる場合がありますので、心配な方は医療機関を受診してください。その際に必ず手足口病にかかったことがあるということを医師に伝えて下さい。

5,発疹が治るまで仕事を休まないといけない

子供の手足口病でよく聞かれるのがいつから保育園や学校に行っていいですか?と言う質問です。結論から言うとはっきりとした決まりはありません。何故かと言うと法律の規定がないからです。なぜ規定がないかと言うと、手足口病のウィルスは咳には1から2週間ウィルスが含まれていますし、感染した子供の咳やつばたの際、1から2週間はウィルスが含まれていますし便には4週間ほどウィルスが含まれていると言われています。
それなのでいつまでダメというのがなかなか難しいのです。ただ一般的に熱や食事が取れない場合は幼稚園や学校をお休みしてもらうことが多いです。では大人はどうなんでしょうか?大人にも明確な規定はありません。それなので子供に準じて熱や食事が取れない場合は無理しないほうがいいと思いますが、全身状態が良ければ会社を休まなきゃいけないという事はありません。

以上が大人の手足口病で多い勘違い5選のブログです。
基本的には子供がかかることが多い夏の感染症です。軽症のことがほとんどですが、大人にも手足口病がうつってしまうということを知ってもらうためにブログをつくりました。特に家庭内で感染予防をしてもらうことが大事だと思います。基本的にはそこまで怖くない感染症なので、正しい知識を持って冷静に対処してください。

この記事を執筆した人
生垣英之
生垣英之

信州大学皮膚科 入局
佐久総合病院皮膚科
信州大学皮膚科
長野赤十字病院皮膚科(科長)
大宮皮膚科クリニック院長
こだま皮膚科院長
古河いけがき皮膚科 開院

皮膚科診療歴20年以上。年間3万人以上の診察を行い地域医療に貢献。YouTubeでは皮膚科疾患について詳しく解説をしています。

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
住所
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