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「足の裏のホクロは癌ですか?」足の裏のほくろ は除去した方がいいのか見分け方について

[2023.04.11]

今回は、足の裏のほくろやほくろのガンについて話したいと思います。

このブログの内容はこちらの動画でもお話しています。

ほくろのガンはメラノーマ、日本語だと悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)と言います。

名前から恐ろしげですよね。名前に黒色腫と書いてあるだけあって黒色の事が多いですが、必ず黒色になるわけではありません。 

茶色から色があまりはっきりしないものまであります。

これは何故かというと、皮膚のメラニンという色素を作る細胞をメラノサイトと言いますが、このメラノサイトが癌化した腫瘍がメラノーマなので、メラニン色素の産生の程度により色の変化があると思われます。

10万人に1人から2人と言われています。

希少なガンですが、悪性度が非常に高く初期に切除せず、転移してしまうと命の危険があります。なので初期に見つけるのが大事になります。

 

良性のホクロ

母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)と言って、ホクロの細胞が集まったものです。

ホクロの細胞はメラニンをもっているため、色がついている事が多いです。

なので良性のホクロも茶色から黒色の事が多いですが、色がないものもあります。

また、平なものから隆起したものまで様々です。

なので、良性のほくろと悪性のホクロであるメラノーマの両方とも色や形状や大きさが様々なのです。

だから鑑別が難しい場合があります。

あと、症状については両方とも基本的にはありません。

たまに患者さんで、「かゆみがあるから悪いものだと思って受診しました。」という方が来られますが、それだけではわかりません

良性のホクロか悪性のメラノーマかの判断

体や顔の場合は大きさや色むらや周囲との境界がはっきりしているかなどで判断します。

ABCDEルールと呼ばれるものです。

AはAsymmetry(非対称)の略です。左右上下が対称なのか非対称かどうかを見ます。例えばきれいな丸形をしているのは良性の可能性が高く、形がいびつの場合は悪性の可能性があります。

 

BはBorder(境界)の略で、病変部位と周りの皮膚がきれいにわかれていれば良性の可能性が強く、もやもやとしている場合は悪性の可能性が高くなります。

 

CはColor(色)の略で、色が均一の場合は良性の可能性が高くなり、色ムラがある場合は、悪性の可能性が高くなります。

 

DはDiameter(ディアメーター)(長径)の略で、大きさになります。一般的に7mm以上は注意と言われますが、7mm以上の良性のホクロはたくさんありますし、場所などにもよります。

 

EはEvolving(イボルビィング)(進化する)の略で、7mm以上の大きいホクロがある方はたくさんいるかと思います。そのホクロが年々大きくなっていくかどうかです。ただし、子供は成長していきますので、生まれつきのホクロは大きくなっていく事が多いです。また、大きくなっていくホクロがすべて悪性ではありません。ただ、悪性のホクロは大部分が大きくなっていきます。

ここでご自分のホクロのある部位を見てください。

ホクロがある方は先程のABCDEルールにのっとり、対称性かどうか、境界ははっきりしているかどうか、色ムラはないか、7mm以上かどうかを見てください。

あと、背中など自分で見えないところは誰かに確認してもらいましょう。

次に、足の裏のほくろについて話したいと思います。

なぜ、足の裏に注目するかというと、悪性のホクロであるメラノーマは全身どこにでも出来ますが、30%くらいが手足や爪の部分に出来まるからです。

手や爪はすぐに気づきますが、足の裏は気づかない事が多く進行してから来院される方が多いからです

足の裏の皮膚を断面図で見ると、上がったり下がったりしています。

上がった部分を丘、下がった部分を溝に見立てます。

溝の部分が濃い場合は、良性の事が多く、丘の部分に色が濃いと皮丘平行パターンと言って悪性の可能性があります。

ただ、あくまで大雑把な話しで、皮膚の深いところにホクロの細胞が集まっている場合は丘の部分でも色が見えることはあります。

これは肉眼で見るのはなかなか難しくて、診察室では、ダーモスコープという機械で拡大して見ないとわからない事が多く、このような機械を使い診断していきます。

ただ、あくまで良性悪性の可能性が高いというだけで、手術でとって細胞をみる、病理検査をしないとわからない事もあります。特に色がないタイプは病理検査しないとわかりません。

黒いできもの

ちなみに黒いできもの自体、他にもあります。

特に顔には脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)と言って、老人性のイボと言われる真っ黒にもなる良性のできものができやすいです。

他に悪性腫瘍として基底細胞癌(きていさいぼうがん)といって、ほくろの癌であるメラノーマと似たようなものができたりします。

思い当たる方は 皮膚科に受診してみてください。

ちなみに

テレビでもたまに足の裏のメラノーマの特集が組まれていますよね。

テレビで放映された後、次の日に心配された患者さんが来院されます。

あまり心配しないでください。ほとんどの方は良性のほくろの事が多いです。

まとめです

ホクロは基本的には良性のものがほとんどです。

ただし、非対称で境界のはっきりしない色ムラがある7mm以上のホクロは経過みていく必要があります。

今あるホクロが将来癌化するかもと心配していらっしゃる方もいるかもしれまんが、先程も言いましたが変化をみていくことが大事です。

この記事を執筆した人
生垣英之
生垣英之

信州大学皮膚科 入局
佐久総合病院皮膚科
信州大学皮膚科
長野赤十字病院皮膚科(科長)
大宮皮膚科クリニック院長
こだま皮膚科院長
古河いけがき皮膚科 開院

皮膚科診療歴20年以上。年間3万人以上の診察を行い地域医療に貢献。YouTubeでは皮膚科疾患について詳しく解説をしています。

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
住所
〒306-0003
茨城県古河市緑町54-33
最寄駅
JR宇都宮線古河駅

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