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紫外線が肌や髪の毛に与える影響、紫外線対策について。紫外線対策になる食べたほうがいい食材について

[2024.07.05]

日差しが強く、紫外線が気になる時期になりましたね。日焼け止めをぬったり、日傘をさしている方も多いですね。ただいろいろケアをしていても、やっぱり気になるのが紫外線の影響ですよね。これだけ暑くて肌がじりじりと感じる季節になると、必ずと言っていいほど患者さんに聞かれる質問があります。「紫外線対策どうしたらいいですか?」というものです。そのため今回はこの暑い時期に気になる紫外線の対策を、対策アイテムや、摂取したほうがいい栄養素や食べ物についてのブログとなります。よくある質問など、Q&A形式でおはなししたいと思います。

Q:紫外線は肌や髪に対して、どのような影響を与えますか?

まず肌への影響ですが、紫外線が肌に当たると肌の細胞のDNA損傷が起こります。細胞にはそれを修復する機能がありますが、長年にわたり繰り返し傷つけられているうちに、傷の直し間違いが起こり突然変異となります。その部分がたまたまガン遺伝子などガンの発生に関わる遺伝子であった場合、その細胞は勝手に増殖してガンになります。以上のような皮膚がんのリスクの増加であるとか、光老化というものもあります。顔や手のように直接紫外線を浴びるケースが多い露出部に多く見られるもので、加齢による肌の老化とは違うものです。子供のころから浴びた蓄積された紫外線のダメージが原因で起きます。浴びた量が多いほど、肌の色がくすんできたり、張りがなくなってきて、しみ、しわ、たるみとして早くから現れます。
肌の老化原因の約8割は光老化にあるといわれているほどです。

次に、髪に対する影響についてです。紫外線は髪のキューティクル層を破壊し、内部のタンパク質を変性させます。これによって、髪が乾燥したり、パサつきや枝毛、切れ毛が増えます。そもそも紫外線っていうのは、地球に到達する太陽光線の一部であり、その波長に応じてUVA(太陽から届く紫外線のうち大部分(95%以上)を占めています。UV-Bほど有害ではないが、長時間浴びた場合の健康影響が懸念されます。
窓ガラスや雲も透過して肌の奥まで届きます。)、UVB(ほとんどは大気層などで吸収されますが、一部(約5%)は地表へ到達し皮膚や目に影響を与えます。
(窓ガラスである程度はカットされます)日焼け、皮膚がんの原因となります。)、UVCの三つの種類に分類されます。UVCはオゾン層によってほぼ全てが吸収されます。UVAとUVBは地上まで到達しますが、特にUVBは髪のメラニンを分解し、色あせを引き起こします。これは染めた髪や天然の髪色を問わず、紫外線によるダメージの一つです。

Q:夏の肌ケアに関して、陥りがちなミスや注意点があれば教えてください。

まず、大事なのは日焼け止めの塗り方についてです。日焼け止めを塗っていますか?って聞くと「塗っています。」と答える方が多いんですが、じゃあ「何回塗っていますか?」って聞くと「朝1回です。」って答える方が多いんですよね。汗や摩擦で日焼け止めは取れてしまい時間経過とともに効果が下がってしまいます。
特に、朝1回日焼け止めを塗ったからと言って安心していると、日差しが強い午後には無防備になっている状態で日焼けしてしまう可能性があります。数時間に1度は塗りなおすのが、理想です。他には塗る場所ですね。顔は塗る方が多いですが、手や首の後ろも忘れずに塗りましょう。あとは、適切な強さの日焼け止めを選ぶ事ですね。

髪に対しては帽子を被るのは、大事です。他には、乾燥といえば冬ですが、冷房の影響で肌が乾燥することもあるので、夏も保湿に気をつけて欲しいですね。

(日焼け止めを見ると「SPF」「PA」と書いてあると思います。「SPF」とは、「Sun Protection Factor」の略で、UVBに対する防御効果を示すもので、値が高いほど効果が高いです。
「PA」とは、「Protection Grade of UVA」の略で、文字通りUVAに対する防御効果を示すもので、「+」が多いほど防御効果が高くなります。)例えば日中は屋内にいることが多い日は、SPF20~30,PA+~++の日焼け止めを3~4時間目安に塗りなおすのがいいと思います。
日中は屋外にいることが多い日は、SPF30~40,PA++~+++の日焼け止めを2~3時間目安に塗りなおし、1日中外で運動する日は、SPF40~50,PA+++~++++の日焼け止めを2時間目安に塗りなおすのがいいですね。

Q:健康的な肌、髪を作るために外側からできるケアとしてはどのような方法がありますか?

先ほど話したように、紫外線から肌や髪を守るのが大事なので、適切な強さの日焼け止めを適切な場所に適切な回数を塗るのが大事です。
他には、日焼け止めだけでなく、帽子や日傘などもおすすめですね。他には、洗顔や身体を洗うのにゴシゴシ洗わないとか、保湿を心がけるのも大事です。髪を洗う際もぬるま湯で髪と頭皮をしっかり濡らし、シャンプーを手で泡立ててから、指の腹を使って優しくマッサージし、しっかりとすすぐのが大事ですね。シャンプーも色々と試して自分の頭皮に合うものを見つけるのがいいですね。

Q:食事からできる肌、髪のケアとしては、どのようなことに気をつけたらいいですか?

まず、一番言えるのはバランス良く食べるのが大切です。具体的には、3大栄養素である糖質、タンパク質、脂質と、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることですね。
髪も考えるのであれば、髪に大事なのは、タンパク質、ビタミン、亜鉛ですので、そこもバランス良く食べるのがいいですね。特に肌の事を考えるのであれば、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEを多く含む食べ物を意識してとるのがおすすめですね。ビタミンCの作用としてしては、コラーゲンの生成を促進し、肌の弾力を保ちます。抗酸化作用があり、シミやそばかすを防ぎます。ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、肌の老化を防ぎます。血行を良くし、肌の健康を保ちます。

具体的には、ビタミンCはブロッコリーパプリカなどの緑黄色野菜やキウイフルーツやいちごなどのフルーツに多く含まれていますし、ビタミンEはアーモンドやナッツ、アボカドなどに多く含まれています。

それに加え、エルゴチオネインも摂取したほうがいい栄養素といわれています。
エルゴチオネインは、抗酸化作用を持つ天然のアミノ酸で、特に髪や肌に対して効果をもたらすとされています。

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、内側から健康な肌と髪を保つことができます。
また、栄養の吸収を高めるために、食事のバランスや調理方法にも注意を払いましょう。

Q:ビタミンB2やエルゴチオネインは肌や髪に対してどのような役割を果たしてくれますか?

ビタミンB2は、皮膚の健康を保ち、ターンオーバーのサポートをしてくれます。エルゴチオネインとは、100年以上前に発見された硫黄を含んだ含硫(がんりゅう)アミノ酸の1つです。強い抗酸化力があります。先程話した、ビタミンCやEよりも抗酸化力が強いと言われています。なので、美白効果や肌のたるみに良いとされています。髪にも良い効果があり、エルゴチオネインは、髪の成分と同じ含硫アミノ酸ですので、「エルゴチオネイン」の機能性分子群(リプレ)というのが髪の毛の中に入り込むことによって髪が物理的に太くなる効果があると言われています。ちなみに認知症の予防にも期待されています。

エルゴチオネインの抗酸化作用によって、活性酸素によるDNAの損傷や過酸化脂質の生成を防ぐ効果が期待できます。

老化の原因は酸化と言われています。なので、抗酸化作用のある食べ物がいいです。
エルゴチオネインには、エラスターゼとチロシナーゼの活性阻害作用があり、美肌効果が期待できます。
エラスターゼは、肌のハリを保つ役割を持つエラスチンを分解してしまう酵素です。
エルゴチオネインがエラスターゼの活性作用を阻害することでエラスチンが守られ、肌のハリを維持する効果が期待できます。
また、チロシナーゼはシミやそばかすの原因となるメラニンを作る酵素のことで、エルゴチオネインを摂取するとチロシナーゼの活性が阻害され、メラニンの生成を防ぎます。

Q:ビタミンB2やエルゴチオネインを摂取するために効率的な食材、お料理を教えてください。

ビタミンB2を多く含むのは、うなぎやレバー、青魚、アーモンド、納豆、卵、きのこなどです。
エルゴチオネインを多く含むのはタモギタケやヒラタケ、エリンギ、エノキダケ、椎茸などのきのこ類です。
それなので、レバニラ炒めときのこがたっぷり入った味噌汁の組み合わせなどが良いのではないでしょうか。


以上で紫外線対策ブログを終わります。
暑くてつらい時期ですが、体の外側からも内側からもケアしていきましょう。

この記事を執筆した人
生垣英之
生垣英之

信州大学皮膚科 入局
佐久総合病院皮膚科
信州大学皮膚科
長野赤十字病院皮膚科(科長)
大宮皮膚科クリニック院長
こだま皮膚科院長
古河いけがき皮膚科 開院

皮膚科診療歴20年以上。年間3万人以上の診察を行い地域医療に貢献。YouTubeでは皮膚科疾患について詳しく解説をしています。

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
住所
〒306-0003
茨城県古河市緑町54-33
最寄駅
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