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おすすめの日焼け止めの選び方と効果、肌の老化を予防する方法

[2023.07.18]

以下のブログの内容はこちらの動画でもご説明しておりますので、よければ御覧ください

今回はこれからの時期の必須アイテムである日焼け止めについてのおはなしです。

ドラックストアやクリニックには選びきれないほどの日焼け止めが売っていますが、どのように選ぶことが肌にとっていいのかという話を皮膚科医の視点からお話していきたいと思います。

まずは日焼け止めの話の前に、紫外線が肌に与える影響の話をしていきたいとおもいます。

これからの時期によく起こる、日焼けで肌が赤く炎症になるのはみなさんもご存知ですよね。紫外線の悪影響はそれ以外にも、たくさんあります。

 

紫外線が肌に当たると肌の細胞のDNA損傷が起こります。
細胞にはそれを修復する機能がありますが、長年にわたり繰り返し傷つけられているうちに、傷の直し間違いが起こり突然変異となります。

その部分がたまたまガン遺伝子などガンの発生に関わる遺伝子であった場合、その細胞は勝手に増殖してガンになります。

以上のような皮膚がんのリスクの増加であるとか、光老化というものもあります。
顔や手のように直接紫外線を浴びるケースが多い露出部に多く見られるもので、加齢による肌の老化とは違うものです。

子供のころから浴びた蓄積された紫外線のダメージが原因で起きます。
浴びた量が多いほど、肌の色がくすんできたり、張りがなくなってきて、しみ、しわ、たるみとして早くから現れます。
肌の老化原因の約8割は光老化にあるといわれているほどです。

これらの肌の老化サインを予防するためにも、日焼け対策は非常に重要です。

まず基本からですが、日焼け止めを見ると「SPF」「PA」と書いてあると思います。
「SPF」とは、「Sun Protection Factor」の略で、UVBに対する防御効果を示すもので、値が高いほど効果が高いです。

「PA」とは、「Protection Grade of UVA」の略で、文字通りUVAに対する防御効果を示すもので、「+」が多いほど防御効果が高くなります。

当然高いのを塗っておけば間違いないと思われるかもしれませんが、高いものは、肌に負担をかける事があり肌トラブルの原因になることもあるため、日中の活動量などにより使い分けるのがいいと思います。

強さと同じように、回数も大事です。

日焼け止めは朝1回しか塗らないという人が多いかもしれませんが、汗や摩擦で日焼け止めは取れてしまい時間経過とともに効果が下がってしまいます。

特に、朝1回日焼け止めを塗ったからと言って安心していると、日差しが強い午後には無防備になっている状態で日焼けしてしまう可能性があります。数時間に1度は塗りなおすのが、理想です。

例えば日中は屋内にいることが多い日は、SPF20~30,PA+~++の日焼け止めを3~4時間目安に塗りなおすのがいいと思います。

日中は屋外にいることが多い日は、SPF30~40,PA++~+++の日焼け止めを2~3時間目安に塗りなおし、1日中外で運動する日は、SPF40~50,PA+++~++++の日焼け止めを2時間目安に塗りなおしてはいかがでしょうか?

手や首の後ろも忘れずに塗りましょう。

 

日焼け止めは汗で落ちてしまう事が多いため、汗をかきやすい人はウォータープルーフの日焼け止めを使うのがよいと思います。
ただし、ウォータープルーフの日焼け止めを使っているから1日1回でよいという事はありません。

ウォータープルーフとは、文字通り「水に強い」を意味します。
つまり、日焼け止めが水や汗によって流れ落ちにくくなる特性を指します。

しかし、ウォータープルーフといっても、全く水や汗に影響されず、ずっとその状態が続くわけではありません。

ウォータープルーフの日焼け止めも、水や汗に触れることで徐々にその効果が落ちていきます。

特に泳いだり、汗を大量にかいたりすると、日焼け止めが流れ落ちてしまう可能性があります。
だからといって、ウォータープルーフの日焼け止めを厚く塗れば問題ない、というわけでもありません。
適量を超えて塗っても、それ以上の効果は得られません。

また、ウォータープルーフの日焼け止めは、普通の石鹸では落ちにくい特性もあります。
そのため、クレンジングが必要となります。

ですから、ウォータープルーフの日焼け止めを使用する場合は、しっかりと落とすための手段も考えておく必要があります。

以上のように、ウォータープルーフの日焼け止めは、水や汗による影響を少なくするためのものですが、それが全てを解決するわけではありません。

どんな日焼け止めでも、定期的に塗り直しを行うことが重要です。
また、日焼け止めだけに頼らず、帽子や日傘など、他の対策も併用することをお勧めします。

このように塗りなおす事の重要性を話しましたが、男性はわりと容易に塗り直しが可能なので、是非やってください。

女性の場合メイクをしています。

その場合はどうすればよいのかという問題が起こると思います。
可能であれば、メイクを落としてから日焼け止めを再度塗ることが理想的ですが、忙しい日常の中では難しい事が多いと思います。

なので、以下の日焼け止めが選択肢になると思います。

1. スプレータイプの日焼け止め

これは非常に便利で、メイクの上から直接スプレーするだけでOKです。
ただし、顔に直接スプレーするときは、目に入らないように注意してください。

2. パウダータイプの日焼け止め

これもメイクの上から使用できます。

パウダータイプの日焼け止めは、余分な皮脂を吸収し、肌をさらさらに保つ効果もあります。
パウダーの中にはSPFが含まれていて、紫外線から肌を守ることができます。

3. クッションファンデーション

これはファンデーションと日焼け止めが一体になっています。

一部のクッションファンデーションにはSPF値が高いものもあり、これを使うとファンデーションを塗り直すついでに日焼け止めも塗り直すことができます。

4. UVカット効果のある化粧下地

化粧下地もスキンケア効果だけでなく、UVカット効果を持つものがあります。
これを使用すれば、化粧を直すついでに紫外線からの保護もできます。

これらの商品を使うことで、メイクを落とさずに日焼け止めを塗り直すことが可能です。
ただし、これらの商品を使用する場合でも、元々塗っていた日焼け止めのSPF値やPA値を補完するだけで、完全に取り替えるわけではありません。

あと飲む日焼け止めについても話します。
よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、飲む日焼け止めを飲んでも、それだけでは日焼けを防止できません。

飲む日焼け止めに含まれている、ビタミンCやアスタキサンチン、ポリフェノールなどの成分が、抗酸化作用があります。

体内の抗酸化力を高めることで紫外線による酸化ストレスを軽減する効果が期待されます。
飲む日焼け止めだけで紫外線からの完全な防御を行うことはできませんので、塗る日焼け止めと併用することが重要です。

あと飲む日焼け止めの効果は、直ちに現れるわけではありません。
ビタミンCなどの成分を摂取しても、効果が現れるまでには時間がかかるため、少なくとも半日前から摂取することが推奨されています。

最終的には、飲む日焼け止めと物理的な遮蔽効果を併用し、紫外線によるダメージを最小限に抑えることが大切です。

正しい理解の元に飲む日焼け止めを摂取することで内側からのケアを行い、肌の健康をサポートするのは良いです。

しかし、飲む日焼け止めを摂取しても紫外線は100%阻止することはできないため、塗る日焼け止めが必須という事を忘れないでください

まとめです。
日焼け止めは、強さだけでなく、塗る回数がとても大事という事と飲む日焼け止めだけでは予防にはならないという話しをしました。


美肌の天敵である紫外線を防御して、肌をきれいにしていきましょう。

 

日焼け(日光皮膚炎)についてはこちら

この記事を執筆した人
生垣英之
生垣英之

信州大学皮膚科 入局
佐久総合病院皮膚科
信州大学皮膚科
長野赤十字病院皮膚科(科長)
大宮皮膚科クリニック院長
こだま皮膚科院長
古河いけがき皮膚科 開院

皮膚科診療歴20年以上。年間3万人以上の診察を行い地域医療に貢献。YouTubeでは皮膚科疾患について詳しく解説をしています。

院長
生垣 英之
診療内容
一般皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科
TEL
0280-31-1217
※自由診療予約はweb予約をご利用ください
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