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イボに関する疑問を解消!イボの取り方は?専門医がわかりやすく解説するイボの全て!

[2024.05.01]

こんにちは 茨城県古河市で皮膚科・美容皮膚科を開業しております、皮膚科診療歴20年以上の医師の生垣英之です

皆さんはある日突然体のどこかに皮膚から盛り上がった小さなできものを見つけたことはないでしょうか?その中には一般的にいぼと呼ばれるものもあります。 

今回はそんなイボについて、イボとは何かという話と、そのいぼのそれぞれの除去の仕方、また実際良くある質問について話したいと思います。 

 

イボとは

そもそもイボって何でしょうか?イボ自体は医学用語ではありません。イボと呼ばれるものには色々あります。 

主なものを4つほど紹介します。 

ウイルス性のいぼ 

まずは、ウイルス性のイボになります。正式名称は、尋常性疣贅になります。これは、ヒトパピローマウイルスの感染症です。(イボ ウイルス性)感染症なので、例えば足の裏に出来た場合、他の場所例えば手にうつったりします。場所は体のどこにでもうつります。

治療は液体窒素による冷凍凝固法が一般的な治療になります。具体的にはマイナス196℃の液体窒素で冷やした綿棒などでイボを凍結させることによって、感染した皮膚が壊れて剥がれます。剥がれた部分の下にある新たな皮膚が再生してきます。1から2週間毎に治療をくり返すことで、ウイルスに感染した部分に免疫が働き、正常な皮膚のみになります。残念な点は治療の際に痛みを伴う事が多い点です。本来ウイルスだけを殺せれば良いのですが、現時点では困難です。ただ皮膚は内臓と違って外からアプローチして、感染している細胞を壊してしまおうという治療になります。

他には漢方の内服薬も行う場合があります。自費の治療になりますが、レーザーや注射、特殊な塗り薬なども行われる場合があります。 

軟線維腫

あとは俗に首イボ(イボ 首)と言われる首に細かい茶色のボツボツができる事があります。これは軟線維腫と言われるものです。首だけではなく、腋などにもできます。これは感染症ではなく良性の腫瘍です。なので、直接除去する必要があります。たまに、漢方の内服薬であるヨクイニンを処方して欲しいと言われる場合がありますが、首イボには効果ありません。除去の方法には、ウイルス性のイボの治療でもある液体窒素や炭酸ガスレーザーなどがあります。 

老人性イボ

他には言葉は悪いですが、老人性のイボと言われる脂漏性角化症があります。これは言葉通り年齢に伴ってでてくるイボです。顔や体などに多発することがあります。急に体にこのイボが多発し、痒みがある場合には、レーザー・トレラ症候群と言って、胃がんや悪性リンパ腫などが合併していることがあります。この場合はがん切除後に消えていく場合もあります。

治療はこれも良性腫瘍なので、直接除去が必要となります。手術や液体窒素やレーザーになります。特に黒色の脂漏性角化症は、良性のほくろや悪性黒色腫と呼ばれる皮膚がんと見分けが難しい場合があります。その場合は切除して、良性か悪性かを見る病理検査が必要になります。 

ほくろ

ホクロの話しがでてきたので、ホクロの治療についても話しておきます。ホクロ除去については、手術でとる方法とレーザーで切除する方法があります。手術でとる場合は、一般的に保険のきく治療になります。レーザーでとる場合は自費で行う治療になる事が多いです。どちらでとるかは、大きさや場所などで判断することになります。顔の場合、一般的に大きさ5mm以下のものはレーザーでとる場合が多くなります。両方ともに麻酔薬をできもの周囲に注射します。手術の場合は、メスで切って縫い合わせます。レーザーの場合は削りとり、傷になります。ただし小さい傷なので貼り薬を貼ると1、2週間ほどで傷が塞がります。その後赤みがしばらく残り徐々に薄くなっていきます。 

水いぼ 

イボの話に戻りますが、他は水いぼと言われるものもあります。これは、正式には伝染性軟属腫と言って、ポックスウイルスの感染症です。主に子どもにうつります。色があまりついてない肌色のボツボツが多数できます。治療はそのボツボツをセッシでつまんでとる方法がありますが、とったから治るわけではなく、とってもとらなくても抗体ができるので、徐々にできなくなり、自然になおります。大人にも稀にできることもあります。大人で多数できたり大きいのが出来た場合は、免疫が落ちている場合があり、他の病気がないか検査する場合があります。 

 よくある質問

イボの種類と切除方法についての説明は以上ですが、皆さんから多い質問に答えたいと思います。

市販のイボコロリは効果ありますか? 

市販のイボコロリは効果ありますか?(イボ コロリ イボ 市販薬)と質問される事が多いですが、結論としては、ウイルス性のイボである尋常性疣贅にはある程度の効果はありますが、使用には注意が必要です。

イボコロリには、サリチル酸という成分が含まれています。サリチル酸は皮膚の表面の角質部分を柔らかくする効果があります。皮膚を溶かすわけではありません。イボコロリは、液状やテープタイプのものがあります。ウイルス性のイボは厚くなることが多いため、厚くなった部位と周りの細胞を剥がれやすくする働きがあります。一番の注意点は厚い部分の皮膚のみに貼ったり塗ったりして欲しいという事です。他の皮膚についてしまうと浸軟化と言って、周りの皮膚が白くふやけてはがれ、痛くなってしまいます。絆創膏をずっと貼っていると白くなるのを経験した人は多いかと思いますがそんな状態を浸軟化と言います。足の裏にイボコロリを貼ってきて皮膚がべろっと剥がれて痛くてきましたという患者さんが多いですので、注意が必要です。

うまく使用できればある程度の効果は期待できますが、トラブルが多いのも事実です。タコや魚の目にも使われる事が多いです。尋常性疣贅以外の水いぼや首イボには使用しない方がいいです。使い方は、テープタイプのものは病変部分に貼って動かないようにテーピングをしてしっかりと固定するようにしてください。このまま3日から7日ほど貼りっぱなしにします。日数は場所や大きさによって異なります。 

クリニックでもスピール膏と言って高濃度のサリチル酸が配合された貼り薬を処方さることも出来ます。ただし、やはり貼り方に気をつけないといけないです。 

足の裏のイボとタコや魚の目の違いはなんですか?

足の裏のイボとタコや魚の目の違いはなんですか?という質問もよくうけます。 

まず、タコの正式名称は胼胝腫と言います。魚の目の正式名称は鶏眼と言います。違いは、タコは皮膚の外側だけが固くなっているのに対し、魚の目は外側だけではなく、内側も固くなっている点です。両方とも外的な圧迫などによりなります。尋常性疣贅は先程言ったようにウイルスの感染症なので、そこが違います。治療もタコや魚の目は硬いところを除去する治療になります。ただし、当たってできるので、またなってしまう事が多いです。 

イボはどこに出来ますか?

イボはどこに出来ますか?という質問もうけますが、先程言ったようにウイルス性のイボは、全身どこにでも出来ます。例えば手足、頭部、陰部などです。目周囲にもできることがありますが、これは老人性のイボの事が多いです。 

首イボに塗り薬はありませんか?

首イボに塗り薬はありませんか?といわれますが、塗り薬では難しい事が多いです。なぜなら説明したように首イボは腫瘍なので、細胞を壊すくらいの塗り薬が必要だからです。そんな薬が正常皮膚についてしまうと、潰瘍といって皮膚がえぐれてしまいます。なので、塗り薬では難しいと思います。市販薬でそのような謳い文句が書いてある場合には気をつけてください。さっきも話しましたが、首イボには、漢方薬であるヨクイニンは効果ありません。 

以上でイボの説明は終わりです。 

まとめ

イボをとりたいと悩んでいませんか?おすすめは、まず皮膚科を受診することです。そのできものは、本当にイボでしょうか?ホクロかもしれませんし、イボにも色々な種類があることをお話ししました。治療法もまた様々になります。まず何かがわからないと悩んでいてもどうしようもありません。イボをとりたいと言われて診察してみたら、ほくろだったり他の腫瘍だったりするのは日常の診察でよくあります。悪性の事すらあります。若い人でも悪性のできものの可能性はありえます。 

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