今回のテーマは「体の中から皮膚を美しくする食材5選」です。普段からスキンケアを頑張っているのに、「どうしても乾燥する」「くすみが取れない」「シミが気になる」…そんなお悩み、ありませんか?実はその原因、外側からのケアだけではなく、体の中の栄養バランスも大きく関係しています。肌は体の健康状態を映し出す“鏡”のような存在です。しっかり栄養が足りていれば肌も元気に見えますし、逆に不足していると疲れて見えたり、老けて見えたりします。だからこそ「何を食べるか」はとても大切なんです。今日は、皮膚科医の視点から「これはぜひ毎日の生活に取り入れていただきたい」と思う5つの食材をご紹介します。それぞれの食材の栄養素や美肌効果、取り入れ方の工夫まで、わかりやすくお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください。
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1. トマト
紫外線ダメージから守るリコピン。まずは、私たちの食卓でもおなじみの野菜「トマト」です。トマトの赤い色には「リコピン」という成分が含まれていて、これがとても強力な抗酸化作用を持っています。抗酸化作用というのは、体の中で発生する“活性酸素”を取り除いてくれる働きのことです。この活性酸素、実はお肌にとっては大敵です。紫外線を浴びたり、ストレスや疲れがたまったりすると体の中に増えてしまい、シミやシワ、たるみなど老化の原因をつくってしまうんです。つまり、リコピンをしっかりとることで、この悪影響をやわらげ、肌を若々しく保つサポートをしてくれるんですね。「日焼け止めを塗っているから安心」と思っていても、実際には紫外線を100%防ぐのは難しいです。外側からのケアだけでなく、体の中からも紫外線に負けない肌をつくることが大切です。トマトはその点で、とても頼りになる食材なんです。食べ方の工夫も大事です。リコピンは油に溶けやすい性質を持っているので、サラダにオリーブオイルを少しかけたり、トマトソースのパスタにしたりすると吸収率がグッと上がります。
また、リコピンは加熱することでさらに利用されやすくなるので、ミネストローネスープや煮込み料理もおすすめです。生で食べてももちろん美味しいですが、温かい料理にすることで効率よく栄養をとることができます。さらに、ミニトマトでも大玉のトマトでもリコピンはしっかり含まれていますので、毎日の食卓に気軽に取り入れられるのもいいですね。朝食にサラダとして添える、夕食にスープとして食べる、そんなちょっとした工夫で「体の中から日焼けに強い肌」を目指すことができます。私のお気に入りの食べ方は、ビタミンEが豊富なアボガドと一緒に食べる事です。ビタミンEとリコピンを食べる事によりさらに紫外線による肌のダメージを防ぐ事ができます。トマトとアボガドを切って、オリーブオイルと麺つゆをかけるだけの簡単な料理です。とても美味しいですよ。
2. 鮭
美肌の赤いパワー、アスタキサンチン 次は「鮭」です。鮭の赤い色には「アスタキサンチン」という強力な抗酸化成分が含まれています。ビタミンCの数十倍とも言われるパワーで、紫外線によるダメージや酸化ストレスから肌を守ってくれるんです。ビタミンCの数十倍って、すごくないですか?私たちの肌は紫外線を浴びるとすぐに活性酸素が増えてしまい、それがシミやシワ、たるみの原因になります。外側からの紫外線対策ももちろん大切ですが、鮭を食べることで内側からも肌を守ることができます。特に夏場やアウトドアが多い方にはぜひおすすめしたい食材です。さらに鮭にはDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸も豊富に含まれています。これらは体の炎症を抑える働きがあり、赤みやニキビ、肌荒れの改善にも役立ちます。肌だけでなく、血液をサラサラにしたり脳の働きをサポートしたりするので、健康面でもとても優秀なんです。調理法は、焼き魚やバターソテー、ホイル焼き、スープやシチューなど、バリエーションが豊富です。鮭の皮にも栄養が詰まっているので、できるだけ残さず食べるといいですね。週に2〜3回くらい取り入れると、美肌と健康の両方に効果を感じやすくなります。私のお気に入りの食べ方は、シンプルに焼いて食べるのが一番好きです。特に朝の鮭はたまりませんね。
3. キウイ
ビタミンCでコラーゲン生成をサポート3つ目は「キウイ」です。キウイには、実はレモン以上のビタミンCが含まれています。ビタミンCはコラーゲンをつくるのに欠かせない栄養素で、肌のハリや弾力を保つのにとても重要なんです。さらにシミの原因になるメラニンの生成を抑えてくれるので、美白効果も期待できます。また、キウイには食物繊維も豊富に含まれていて、腸内環境を整える働きもあります。腸の調子が整うと、肌のターンオーバーがスムーズになり、ニキビや吹き出物の予防にもつながります。つまり「美肌と腸活」を同時にかなえてくれる果物なんです。グリーンキウイは食物繊維が多く、便秘気味の方に特におすすめ。ゴールドキウイは酸味が少なく甘みが強いので、フルーツが苦手な方でも食べやすいと思います。ビタミンCは体内にためておけない栄養素なので、毎日少しずつとるのが理想です。朝食やおやつに取り入れると習慣にしやすいです。私のお気に入りの食べ方は、朝にヨーグルトにトッピングして食べる事です。特にゴールドキウイが大好きです。キウイの食物繊維がヨーグルトの乳酸菌の餌になり相乗的に腸内環境が改善され便通がよくなります。ヨーグルトのたんぱく質とキウイのビタミンCでコラーゲン生成をサポートします。さらにゴールドキウイが甘いため、ヨーグルトに砂糖をいれなくても食べれるので、血糖値が上がりにくいのもとても良いです。
4.アーモンド
若返りのビタミンEで肌を守る4つ目はアーモンド。ナッツ類の中でも特にビタミンEが豊富で、“若返りのビタミン”と呼ばれるほど抗酸化作用が強い栄養素を含んでいます。紫外線やストレスで発生する活性酸素から肌を守り、シミやシワの予防に役立ちます。さらに血行を良くする作用もあるので、冷えやくすみが気になる方にぴったりです。アーモンドは食べ方も手軽で、仕事や勉強の合間に少しつまむだけでも栄養補給になります。腹持ちが良いので、余計なおやつを減らせるメリットもあります。ダイエット中の方にも向いていますね。ただし、カロリーが高いので食べすぎには注意が必要です。1日に20粒程度が目安。塩や砂糖がついていない「素焼き・無塩タイプ」を選ぶと安心です。砕いてサラダやヨーグルトにトッピングするのもおすすめです。小さな習慣が肌を守る大きな力になりますよ。自分も小腹が空いた時によく食べています。
5. ヨーグルト
腸から整えて美肌に直結。最後は「ヨーグルト」です。昔から「腸と肌はつながっている」と言われます。腸内環境が乱れると、栄養がしっかり吸収できなくなったり、老廃物がたまりやすくなって、ニキビや肌荒れの原因になってしまいます。逆に腸が整うと全身の代謝もスムーズになり、自然とお肌も元気になります。ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌など、善玉菌がたくさん含まれています。これらが腸の働きを助け、腸内環境を良い状態に保ってくれるんです。毎日少しずつでも続けることで、体の中からきれいを育てることができます。選ぶときは砂糖が入っていないプレーンタイプが理想です。甘みが欲しいときは、はちみつやフルーツを加えるとおいしく続けられます。特に朝食やおやつに取り入れると習慣化しやすいですね。キウイやベリー類と一緒に食べれば、美肌栄養をさらに強化できます。先ほども話したように、自分は夏の時期は毎朝キウイと一緒に食べています。冬はりんごと一緒に食べる事が多いです。腸活は一朝一夕では効果が出ませんが、毎日の積み重ねで少しずつ肌や体調の変化を感じられるはずです。
6. まとめ
今日は「体の中から皮膚を美しくする食材5選」として、トマト、鮭、キウイ、アーモンド、ヨーグルトをご紹介しました。それぞれに強い抗酸化作用があったり、腸内環境を整えてくれたりと、美肌づくりにとても役立つ栄養素が含まれています。紫外線やストレスに負けない肌を育てたい方、年齢を重ねても若々しい印象を保ちたい方には、ぜひおすすめしたい食材です。ただし、大事なことをひとつお伝えしたいと思います。「この5つを食べれば完璧!」というわけではないんですね。栄養というのはバランスがとても大切です。どんなに体に良いとされる食材でも、そればかりに偏ってしまうと、逆に体に負担をかけてしまうこともあります。あと、食べる量も大事です。どんな食材も食べ過ぎは体に毒です。皮膚は体全体の健康の“鏡”ですから、特定の栄養素だけではなく、炭水化物・タンパク質・脂質、そして野菜や果物からのビタミンやミネラルなど、幅広い栄養がそろってこそ、健やかで美しい肌につながります。ですので、今日お話しした食材を“プラスアルファ”として生活に取り入れていただくのが一番おすすめです。「毎朝のヨーグルトにキウイをのせる」「夕食に鮭を焼いてトマトサラダを添える」…そんなふうに普段の食事に少しずつ組み合わせていただくと、無理なく長く続けられると思います。美肌は一夜で手に入るものではなく、日々の積み重ねで育っていくものです。今日の内容が「これならできそう!」というヒントになれば嬉しいです。未来のお肌のために、ぜひ今日から一歩を踏み出してみてください。