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口唇ヘルペスの感染経路と予防策:症状と治療法を徹底解説

[2024.05.09]

こんにちは 茨城県古河市で皮膚科・美容皮膚科を開業しております、皮膚科診療歴20年以上の医師の生垣英之がおおくりします。

皆さんは口唇ヘルペスという病気の名前を聞いたことがありますか? 日本人全体では約10人に1人がヘルペスに感染しているとされる、とても身近な病気であり、1度かかると1年に何度も再発することのある、やっかいな病気ともいえます。

今回はそんな口唇ヘルペスについて話したいと思います。

以下のブログの内容はこちらのユーチューブでもお話していますので、ご覧ください。

 

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスとは、何の病気でしょうか?ヘルペスウイルスというウイルスの感染症です。

ヘルペスウイルスは種類がたくさんあります。よく知られているのは、口唇ヘルペスの原因ウイルスである、単純ヘルペスと帯状疱疹の原因ウイルスである、水痘・帯状疱疹ウイルスです。水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうのウイルスになります。違いをざっくりと話しますと、単純ヘルペスは、帯状疱疹と比べて皮膚の狭い範囲で症状がでます。他には、帯状疱疹と違い繰り返すのが、特徴です。ちなみに帯状疱疹は一生に一度といわれているくらいの頻度です。実際は2度以上かかる人はいます。治療薬もかぶる事が多いですが、帯状疱疹の方が多く薬をのみます。帯状疱疹については、別のブログをだしていますので、そちらをご覧ください。

帯状疱疹についてはこちら

口唇ヘルペスと帯状疱疹の違い

単純ヘルペスウイルスの話しにもどりますが、1型と2型があり、1型は口唇にできやすく、2型は陰部にできやすいと言われていますが、1型が陰部に感染することもありますし、治療もほぼ同じになりますので、あまりそこは考えなくて良いと思います。以前は子どものうちにほとんどの人が家族から口唇ヘルペスに感染しておりましたが、現在は20代~30代では約半数の人しか抗体を持っていないとされています。年齢が高くなるにつれて抗体をもっている人が増えますが、以前に比べ、抗体を持っている人は減っています。子どものうちにヘルペスウイルスにはじめて感染すると症状がほとんどないか、あっても軽いです。これを初感染と言います。ヘルペスウイルスが初感染すると神経節という場所にい続けます。体が疲れたり、風邪をひいたりして免疫が落ちると神経を伝って皮膚に増えます。皮膚に増えると赤みがでて水ぶくれが増えていきます。症状としては、赤みが出る前に、ピリピリ・チクチクといった違和感、かゆみ、痛がゆさなどの症状を感じ、それから皮膚に症状がでます。

口唇ヘルペスの感染経路(口唇ヘルペス 性行為)

口唇ヘルペスはどのように感染するのでしょうか?直接感染なので、患部を直接触ると感染します。口唇や陰部にできる事が多いので、口唇や陰部に水疱が出来ている場合は、キスや性交渉をするとうつります。なので、症状がでている場合は、相手にうつしてしまう可能性があります。やっかいなのは、それだけでなくタオルやコップなどでもうつります。それなので、まわしのみでもうつりますので、家族からの感染も多いです。

口唇ヘルペスと診断した際に、「いつうつったのでしょうか?」と言われる場合がありますが、初めて感染したとしても症状がでない場合もありますので、いつうつったかは正確にはわかりません。

口唇ヘルペスの症状

出現する場所は、口唇や陰部が有名ですが、全身どこにでもでます。大人になってから、初めて感染すると症状が重症化することがあります。残念ながら現在の医療では、ウイルスを殺す事はできませんが、ウイルスを抑える薬があります。

口唇ヘルペスの薬としてはのみ薬とぬり剤があります。(口唇ヘルペス 飲み薬)(口唇ヘルペス 塗り薬)飲み薬の方が効果があります。初感染以外は、疲れた時に体の中から皮膚にでる病気なので、のみ薬の方が効果が高いのは想像がつくと思います。こののみ薬は、開始が早ければ早いほど効果があります。診断は、目でみて判断する場合や、今では保険が効くウイルス診断キットがあり、それで診断します。たまに先程話した帯状疱疹と診断が迷う事がありましたが、今は診断キットで診断が楽になりました。

 

以上で口唇ヘルペスの説明は終わりになります。これからは診療中に患者さんからされる、よくある質問に答えていきたいと思います。質問は次のとおりです。①口唇ヘルペスは何科にかかればいいのか、②口唇ヘルペスを発症したらいつからキスできるのか③口唇ヘルペスの市販薬でいいもはあるのか④口唇ヘルペスにかかっているときに食べてはいけないものについて⑤妊娠中の口唇ヘルペスについて⑥口唇ヘルペスを早くなおすためにはどうすればいいのか、の6つの質問にお答えしていきます。

 

口唇ヘルペスは何科?

口唇ヘルペスは何科に行けば良いでしょうか?と言われる事がありますが、基本的には皮膚科で問題ないです。

口唇ヘルペスを発症したらいつからキスできるのか

いつからキスや性交渉ができるかという質問もうけますが、水ぶくれがかさぶたになるとかなり感染力が低くなるのは間違いないですが、完全にうつらないとは言えません。かさぶたも取れ、皮膚が完全に作られれば移す可能性はかなり低いと思います。

口唇ヘルペス 市販薬

市販薬で良いのありますか?という質問もうけますが、塗り薬が市販されていますので、それを買ってぬってもらう事になります。ただ、先程言ったように内服薬の方が効果ありますので、クリニックを受診していただくのが一番オススメです。そもそもそれが本当に口唇ヘルペスか判断が難しい場合もあります。唇近くにできるのは口唇ヘルペス以外には口角炎と言って唇の炎症の事もありますし、毛嚢炎と言ってニキビみたいなものができることもあります。なので、症状が続いている場合は、違う病気の可能性があります。稀ですが、固定薬疹と言って、飲み薬を飲んで特定の部位のみ繰り返しできる薬疹も唇の近くにできる事があります。

ヘルペスを早く治すためのビタミンは

口唇ヘルペスの時に早く治すビタミン剤や食べてはいけないものはありますか?という質問もうけますが、口唇ヘルペスは体力が低下したときにできますので、バランスよく食べ、十分な睡眠をとり休息が一番になります。食べてはいけないものはありませんが、抗ウイルス薬の飲み薬の一部はグレープフルーツと合わない場合があります。

口唇ヘルペス 妊娠中

妊娠中に口唇ヘルペスになったら、どうすれば良いでしょうか?という質問もうけます。治療は、妊娠中でも内服薬を処方する場合がありますが、そこは医師と相談になります。陰部にヘルペスができてしまった場合は、赤ちゃんに感染することはあまりないとされます。ただし、分娩時に症状が出ている場合や、分娩の1ヶ月程度前に初めて感染し症状が出た場合などは、自然分娩で出産すると赤ちゃんに感染することがあります。赤ちゃんが感染すると重い症状になることがあります。産婦人科の医師に相談しましょう。

口唇ヘルペス 早く治す

口唇ヘルペスをすぐに治すにはどうすれば良いでしょうか?という質問を受ける事がありますが、すぐには治りませんが、内服薬を早く飲むのが一番効果があると思います。口唇ヘルペスは繰り返す事が多く、繰り返している人はヒリヒリやチクチクするような違和感の時点でヘルペスがでるのがわかる人も多く、その都度内服してもらっていました。保険が効く治療は、症状がでてから薬を処方するのが基本ですが、Patient Initiated Therapy(ぺーシャント、イニシエーティドゥ セラピー)と言って、あらかじめ、飲み薬をもらっておいて、

チクチク・ピリピリという違和感が出てきた段階で、 患者さん自身の判断ですぐに飲んでもらう治療が保険で処方できるようになりました⽔ぶくれなどの症状を軽減したり、症状が出ずにすむ場合もあるので、治るまでの期間を短くすることができます。症状がでて6時間以内が特に有効です。薬が高いですので、是非お近くのクリニックで相談してください。

 

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